働き方改革関連法ノート

労働政策審議会(厚生労働大臣諮問機関)や厚生労働省労働基準局などが開催する検討会の資料・議事録に関する雑記帳

脳・心臓疾患の労災認定の基準(過労死ライン)見直し案

2021年06月22日 | ブログ管理者ノート
脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会(過労死ライン見直し議論)
本日(6月22日)、厚生労働省「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」が労働委員会会館講堂にて開催。議題は「脳・心臓疾患の労災認定の基準について」。

つまり(いわゆる)過労死ラインについて協議されるが、厚生労働省より資料として「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書(案)」が厚生労働省公式サイトで公開されている。

脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書案(過労死ライン見直し案)
脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書(案)「まとめ」には「『短期間の過重業務』及び『長期間の過重業務』において、業務による負荷要因としては、労働時間のほか、勤務時間の不規則性(拘束時間の長い勤務、休日のない連続勤務、勤務間インターバルが短い勤務、不規則な勤務・交替制勤務・深夜勤務)、事業場外における移動を伴う業務(出張の多い業務、その他の事業場外における移動を伴う業務)、心理的負荷を伴う業務、身体的負荷を伴う業務及び作業環境(温度環境、騒音)の各要因について検討し、総合的に評価することが適切である」と記載されている。

さらに「労働時間のみで業務と発症との関連性が強いと認められる水準には至らないがこれに近い時間外労働が認められ、これに加えて一定の労働時間以外の負荷が認められるときには、業務と発症との関連性が強いと評価できる」とも記載されている。

脳・心臓疾患の労災認定の基準(過労死ライン)見直し案を読み、20年前、社会保険路労務士をしていた時から疑問に思っていたことが、ようやく解決するかもしれない。脳・心臓疾患労災認定基準(過労死ライン)は長時間の数字(時間外労働時間)ばかりで判断して、例えば、変形労働時間制での極端な不規則勤務を発症要因として考慮しなかった。

脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書(案)(PDF)

日本経済新聞『「過労死ライン」柔軟適用』
日本経済新聞デジタル版(『「過労死ライン」柔軟適用 厚労省方針、残業の評価法見直し』2021年6月22日午前2時配信)は「厚生労働省は脳・心臓疾患の労災認定の評価法を見直す方針だ。残業が『過労死ライン』といわれる月80時間に達しなくても、それに近い残業や労働時間以外の負荷があれば、業務関連性が強いと評価する。時間の目安を硬直的に適用するケースがあり、労働基準監督署に柔軟な対応を促す」と報じた。

NHK『「過労死ライン」 20年ぶりに見直しへ認定基準案示す 厚労省』
NHK NEWS WEBは「厚生労働省が設置した有識者の検討会は、過労死の認定基準についておよそ20年ぶりに、見直しに向けた検討を進め、(6月)22日にその案を示しました」と報じた。

そして「厚生労働省の検討会は、22日に示した案をもとに提言をまとめることにしていて、これを受けて厚生労働省は過労死の認定基準を見直すことにしています」と。

厚生労働省が設置した有識者の検討会は、過労死の認定基準についておよそ20年ぶりに、見直しに向けた検討を進め、22日にその案を示しました。

それによりますと、残業時間の長さが「過労死ライン」に達しない場合でも、それに近い残業があり、不規則な勤務などが認められれば「仕事と病気の発症との関連性が強いと評価できる」として、労災と認定すべきだとしています。

不規則な勤務については、具体的に、
▽仕事の終了から次の開始までの「勤務間インターバル」が短い場合や、
▽休日のない連続勤務などを示しています。

「過労死ライン」については、遺族や弁護士からは、WHO=世界保健機関などの指摘を踏まえ1か月65時間に見直すべきだという意見が出ていましたが、現在の基準を引き続き示すことが妥当だとしています。

厚生労働省の検討会は、22日に示した案をもとに提言をまとめることにしていて、これを受けて厚生労働省は過労死の認定基準を見直すことにしています。(NHK NEWS WEB『「過労死ライン」 20年ぶりに見直しへ認定基準案示す 厚労省』2021年6月22日11時47分配信)


詳しくは「過労死ライン(脳・心臓疾患の労災認定の基準)見直し案」(佐伯博正|note)に。

過労死ライン(脳・心臓疾患の労災認定の基準)見直し案(佐伯博正|note)


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