働き方改革関連法ノート

厚生労働省の労働政策審議会(労政審)労働条件分科会や労働基準関係法制研究会などの議論に関する雑記帳

労働政策審議会分科会で労働基準関係法制研究会報告書を説明

2025年01月22日 | 労働基準法改正
昨日(2025年1月21日)開催された労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)労働条件分科会で「労働基準関係法制研究会」報告書に関する厚労省の説明に対し、労働者側委員(労働者代表委員)は「テレワークのみなし労働時間制(テレワーク時の『みなし労働時間制』)創設や副業・兼業時の割増賃金の通算撤廃といった働き過ぎを助長しかねない内容もあるが、分科会では必ずしも報告書を前提に議論するものではない」(アドバンスニュース)と牽制。

労働政策審議会・労働条件分科会で厚生労働省が「労働基準関係法制研究会」報告書を説明
アドバンスニュースが昨日配信した記事によると、厚生労働省は労働政策審議会(労政審)労働条件分科会(2025年1月21日開催)で昨年(2024年1月~12月)開催された「労働基準関係法制研究会」の報告書(2025年1月8日に厚生労働省が公表)について説明しています。

そのアドバンスニュースの記事には「早期に着手すべき課題と中長期的に検討を進める事項に分けた報告書で、早期の見直し課題のなかには副業・兼業の労働時間通算における割増賃金規定の撤廃などが盛り込まれている。来年の通常国会に改正法案を提出する場合は、年内をメドとした議論が必要で、次回(労働条件分科会)以降、進行方法や審議日程について厚労省が提示する」と記載されています。

また、記事の中には厚生労働省の報告書説明後の使用者側委員(使用者代表委員)と労働者側委員(労働者代表委員)の意見が書かれていますが、まず使用者側委員は「働く場所や時間などにとらわれない自律的な働き方を実現する仕組みづくりと、自発的なキャリア形成を支援する仕組みが重要であり、それをサポートする政策が求められている」「例えば、自発的なキャリア形成に資する副業・兼業は割増賃金規制があるために普及、促進が大いに阻害されている。健康確保のための時間通算規制は残すことを前提に見直しを図ることが必要」と、報告書の方向性を評価しています。

しかし、労働者側委員は「専門的な見地から労働基準法全体の論点を整理してあり、連続勤務日数の制限導入など労働からの解放に関する強化や過半数代表者の適正化などが記されている」との認識を示したうえで、「テレワークのみなし労働時間制(テレワーク時の『みなし労働時間制』)創設や副業・兼業時の割増賃金の通算撤廃といった働き過ぎを助長しかねない内容もあるが、分科会では必ずしも報告書を前提に議論するものではない」と(アドバンスニュースの記事によると)厚生労働省の報告書説明を牽制する意見を述べています。

なお、共同通信は「労働者側の委員から連続勤務禁止に賛同する意見が出た。副業の割増賃金算定方法の見直しについては、使用者側の委員が副業促進の立場から賛同を表明したが、労働者側は『働き過ぎを助長しかねない』と、けん制していた」と報じていますが、テレワーク時の「みなし労働時間制」創設については(残念ながら)ふれられていませんでした。

「労働基準関係法制研究会」報告書(PDF形式)

労基法改正を視野に労使が本格議論へ、有識者研究会の報告書を厚労省が説明 労政審労働条件分科会(アドバンスニュース)

労基法改正へ議論開始、厚労省 14日連続勤務禁止案の報告書(共同通信)

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