昨日に引き続き今日も映写室だけの映画館です。
崎戸炭鉱にあった「福浦館(崎戸劇場)」の映写室です。
崎戸炭鉱は九州北部の外海にある、
蠣浦(かきのうら)島に発展した長崎最大の三菱系炭鉱で、
年間100万t以上の産出と従業員7,500人強を誇った大炭鉱でしたが、
その発展の裏には、
三菱系最多とも言われる大陸からの強制労働者の影があったことも、
忘れてはならないことかと思います。
福浦館は娯楽・演劇・映画上映用の福利厚生施設の一つで、
隣に建っていたダンスホールのあった「共楽館」と共に、
崎戸の中でももっとも中心的な繁華街を作っていました。
ハードデイを積み重ねる炭鉱マンにとって、
ロマンス漂う唯一の甘いスポットだったと思います。
人の欲望が開発と発展を生みだし、
本来人が住まなくてもいいような孤島を人で溢れかえらせ、
自然破壊と、時には人格破壊までしながら夢を実現させ、
そして欲望の対象が変わると、
それまでの夢の舞台をあっさりと捨て、
次のステージを探しては彷徨い続けるのが人間なのでしょうか。
後に残ったモノは、
ただ無言で過去を語り、時間のしじまに消えゆく時を待つだけです。
オープロジェクトのメインサイト廃墟賛歌 Ruins Anthemの
崎戸炭鉱のギャラリーページをアップしました。
お時間のある方は、ご覧になってみてください。
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