黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

築別炭鉱:映写室跡

2006-08-07 07:02:01 | 産業遺産


最近アップしている映画館の廃墟です。
今日はもはや映画館の形をとどめていない映画館跡です。

北海道の築別炭鉱に残る映写室です。

築別炭鉱は、
北海道の西海岸沿い、留萌支庁の羽幌町に
かつてあった一大炭鉱-羽幌炭鉱の内の一つです。

春にはニシン漁で賑わう西海岸を延々と走り、
海鳥で有名な天売(てうり)島、焼尻(やぎしり)島を遠目にみながら、
たどり着いた築別の地は、
ケータイの針が1本も立たない地の果てでした。

映写室の他にも
火力発電所跡や、住宅棟跡、消防署跡などが残り、
もちろんホッパーやシックナーなど炭鉱関連施設も残ってはいるんですが、
その周囲の環境のせいもあってか、
嘗てそこに人が働き街が賑わっていた息吹を感じることはできません。
全く関係ない場所の街の残骸が、
時空を越えてこの地に忽然と姿を現したような、
そんな印象すらあります。

そんな残骸を北海道の木々は優しく包んでいました。
特に北海道の木の葉は、とても柔らかくしなやかなものが多いのに驚きます。
イメージ的にハードな野生植物を連想していたので、これは以外でした。
北海道の廃墟を捉えた写真や画像が、
他の地域のものと違う印象を受けるのは、
きっとこの葉の効果によるところが大きいんだと思いました。


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