黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

池島炭鉱 #05 坑外施設2

2009-12-18 23:44:22 | 池島炭鉱
長崎県にある21世紀まで操業していた、
九州最後の炭鉱、池島炭鉱をお送りしています。
前回に引き続き坑外(坑道の外にある)施設です。



坑外に縦横無尽に走る軌道の上には、
沢山の炭車が静かに停まっています。
かつては前回の記事でアップした様に、
石炭を満載したり、坑内で使う機器を載せて、
いったりきたりしていたんだと思いますが、
いまでは使われている炭車は殆どありません。



以前見学した際に、たまたまむこうから
連結した炭車を牽引する光景を見る事ができました。
画像からもわかるように、運転席の天井はかなり低く、
やはり坑道をなるべく狭く造る結果、
そのしわよせは人がかぶるんだと思います。
それにしても運転されているお2人は渋いですね。



修理中の車輛。
坑内には様々な形や色の車輛があり、
それぞれ使い分けがあるんでしょうが、
そこまで聞く事は忘れてしまいました。




坑外に眠る、高速人車の「女神号」
先頭には松島炭鉱のCIが付けられています。
こちらは、坑内見学の時に乗る人車よりは、
随分乗り心地も良さそうで、奇麗ですね。
あだ、もうこの人車が活躍する事はないのだと思うと、
残念です。



炭車修理工場で炭の車のメンテナンス。
全てが手作業で行われていました。





仕上工場(各種設備のメンテナンス的なことを行うところ)でも、
実際に作業が行われていました。
これまで、炭鉱の廃墟をいくつも見学するたびに、
その都度、仕上工場とかはどういった場所だったんだろう?
と思っていましたが、こういう場所だったのですね。



ベルトコンベアも、こうやって一つ一つ
手作業でメンテされています。




ベルトコンベアを修理していた工場の内部。(たぶん)
足付き灰皿、木製ベンチ、木枠のサッシュ、木製の机、
ストーブ、トタンの壁、ランプシェード、
どれもが炭鉱を見守り続けて来た、
時間の積み重ねを感じます。

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そして、今週池島炭鉱をアップして来たのは、
ワンダーJAPAN誌掲載のお知らせでもありました。
12月17日発売のvol.14号で、
池島炭鉱が特集されました。



ワンダーJAPAN誌は、blogにアップしていない、
選炭工場の詳細や住宅街の様子が掲載されています。
特に選炭工場は、一般では入る事の出来ない場所で、
採掘された石炭が製品になるまでの行程を伝える、
貴重な遺産だと思うので、
興味のある方は是非ご覧ください。



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