黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

鳩の街私娼窟跡 #03

2010-07-15 18:29:31 | 東京 URBEX
東京の下町、向島に残る鳩の街の私娼窟跡。
前回アップした路地以外にも、
そこかそこに花街の名残が残っています。



この建物は1階の表部分だけカフェ風の造りで、
残りの部分は紛れもない木造家屋。
既に玄関や1階の窓枠も改修されているので、
それと知らなければ見過ごしてしまいがちです。





しかしよく見ると2階には丸い飾り窓。





上の建物同様、タイルばりの円柱がなければ、
一般の家屋とみまがってもおかしくない建物。
鳩の街のカフェ造りにはあまり積極的な印象を受けませんが、
警察の指導によって行なわれたという話を聞けば、
これらカフェ建築が、単に基準をクリアするための、
免罪符的なものだったのか?とも思います。





1階と2階の間には、
雨樋の集水器のようなものがありますが、
鳩の街を後にして国道6号線を歩いていると、
同じ形をした集水器のある建物があったので、
これは特にカフェ建築特有のものではなさそうですね。





弧を描く庇がなければ、普通のモルタル(たぶん)アパート。
しかし窓ガラスの粋な細工はどっぷりと和の世界。
幾多の徒花が咲いたことだろうと思います。





遊郭、そして赤線といった花街が、
なぜ、文人墨客が集い文化発祥の地とまで言われたのか、
それを実際に体感してみたかったものです。



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