2010の暮れに行ったイタリアの旅行記です。
今回はサン・ヴィターレ聖堂@ラヴェンナです。
サン・ヴィターレ聖堂
一般的な聖堂は、上空から見ると十字架を模した、
十字プランで建てられたものが多い中、
この聖堂は八角形の集中型プランで造られた、
現存では極めて珍しい聖堂です。
サン・ヴィターレ聖堂
八角形で造られているので、
本来それだけで建物の安定性は十分確保出来る筈ですが、
周囲に張り出した腕が建物にリズムを与えています。
外壁はご覧のように、装飾が一切ない煉瓦造りです。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
聖堂内は、これまで紹介して来た聖堂や洗礼堂より一段と暗く、
また、円形に近い構造の為、
エネルギーが堂内の中央に強力に集中している印象をうけます。
入口の正面に祭壇があり、
その周囲にビザンティン美術モザイク画の傑作があります。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
祭壇を囲むモザイク画の全貌です。
中央にキリストを配置し、
その左下に当時の東ローマ皇帝ユスティニアヌスと廷臣たち、
右下に王妃テオドラと従者たち、
左手前には旧約聖書のアブラハムのもてなしとイサクの犠牲、
右手前にはアベルとメルキセデクの捧げ物、
頂点には羊を囲む天使たち、
そしてその周りを、これでもかといわんばかりに、
無数の図像が埋め尽くしています。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
正面のキリストの図像。
これまで見て来たモザイク画は背景に金を多様しているため、
ギラギラした印象を受けますが、
このモザイク画は金の使用料が押さえられていて、
落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
頂点に描かれた羊。
金色の光背を持つ羊はキリストを表してるそうです。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
キリスト像の上の光を抱く天使。
その上に窓がありますが、
はめ込まれているのが薄いアラバスターのために、
堂内には極めて柔らかい光が射し込むと同時に、
モザイク画の輝きを独特のものにしています。
以前の記事でも書きましたが、
光の演出にどれだけ気を使っていたかが分かります。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
聖堂の中心部の天井。
現存するビザンティン美術のモザイク画は正面祭壇の周囲だけで、
それ以外の部分ははるか後年のものです。
周囲の回廊を飾る装飾も、
画像ではモザイク画にみえますが、
右端のアーチが祭壇を飾る本当のモザイク、
それ以外は全てモザイク風に描かれたもので、
ご覧のように画像ではその違いがあまりわかりません。
モザイク画の凄さが画像で伝わらないということが、
おわかりかと思います。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
天井を飾るフレスコ画もバロック時代のもので、
右下の雲がはみ出しているのは、
立体的に見せる当時のだまし絵の手法でしょうか。
そういえばドームを支える周囲の柱も、
よくよく目を凝らしてみると、
描かれた柱だったような気がしますが、
とにかく堂内が暗いので、
その辺の「アラ」は気になりません。
効果的な照明効果によって劇的な空間ではありながら、
意識がどんどん集約して行く、不思議な聖堂でした。
サン・ヴィターレ聖堂
最後に堂内を造る煉瓦。
アリアーニ洗礼堂の記事でも少し触れましたが、
サン・ヴィターレ聖堂の煉瓦をみて、
煉瓦が極めて薄く、平べったい造りなことが確認出来ます。
今回はサン・ヴィターレ聖堂@ラヴェンナです。
サン・ヴィターレ聖堂
一般的な聖堂は、上空から見ると十字架を模した、
十字プランで建てられたものが多い中、
この聖堂は八角形の集中型プランで造られた、
現存では極めて珍しい聖堂です。
サン・ヴィターレ聖堂
八角形で造られているので、
本来それだけで建物の安定性は十分確保出来る筈ですが、
周囲に張り出した腕が建物にリズムを与えています。
外壁はご覧のように、装飾が一切ない煉瓦造りです。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
聖堂内は、これまで紹介して来た聖堂や洗礼堂より一段と暗く、
また、円形に近い構造の為、
エネルギーが堂内の中央に強力に集中している印象をうけます。
入口の正面に祭壇があり、
その周囲にビザンティン美術モザイク画の傑作があります。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
祭壇を囲むモザイク画の全貌です。
中央にキリストを配置し、
その左下に当時の東ローマ皇帝ユスティニアヌスと廷臣たち、
右下に王妃テオドラと従者たち、
左手前には旧約聖書のアブラハムのもてなしとイサクの犠牲、
右手前にはアベルとメルキセデクの捧げ物、
頂点には羊を囲む天使たち、
そしてその周りを、これでもかといわんばかりに、
無数の図像が埋め尽くしています。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
正面のキリストの図像。
これまで見て来たモザイク画は背景に金を多様しているため、
ギラギラした印象を受けますが、
このモザイク画は金の使用料が押さえられていて、
落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
頂点に描かれた羊。
金色の光背を持つ羊はキリストを表してるそうです。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
キリスト像の上の光を抱く天使。
その上に窓がありますが、
はめ込まれているのが薄いアラバスターのために、
堂内には極めて柔らかい光が射し込むと同時に、
モザイク画の輝きを独特のものにしています。
以前の記事でも書きましたが、
光の演出にどれだけ気を使っていたかが分かります。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
聖堂の中心部の天井。
現存するビザンティン美術のモザイク画は正面祭壇の周囲だけで、
それ以外の部分ははるか後年のものです。
周囲の回廊を飾る装飾も、
画像ではモザイク画にみえますが、
右端のアーチが祭壇を飾る本当のモザイク、
それ以外は全てモザイク風に描かれたもので、
ご覧のように画像ではその違いがあまりわかりません。
モザイク画の凄さが画像で伝わらないということが、
おわかりかと思います。
サン・ヴィターレ聖堂(画像はクリックで拡大します)
天井を飾るフレスコ画もバロック時代のもので、
右下の雲がはみ出しているのは、
立体的に見せる当時のだまし絵の手法でしょうか。
そういえばドームを支える周囲の柱も、
よくよく目を凝らしてみると、
描かれた柱だったような気がしますが、
とにかく堂内が暗いので、
その辺の「アラ」は気になりません。
効果的な照明効果によって劇的な空間ではありながら、
意識がどんどん集約して行く、不思議な聖堂でした。
サン・ヴィターレ聖堂
最後に堂内を造る煉瓦。
アリアーニ洗礼堂の記事でも少し触れましたが、
サン・ヴィターレ聖堂の煉瓦をみて、
煉瓦が極めて薄く、平べったい造りなことが確認出来ます。
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