神戸スポーツボクシングクラブ【KSBC】リュウ会長のリュウ流ブログ

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やわらかさこそ強さ

2010-11-06 12:09:17 | コーチング・指導

だいたい、「固い信念」とか、「強い意志」とか、
なんでも固いものがいいと思うのがまちがっている。

固いものは、ぽきりと折れる。
たわみながら「粘る力」がない。

高層ビルの耐震設計と同じで、しなりながら揺れるほうが、
ただ頑強なだけよりも強いのである。

信念は曲げられないとこだわる人ほど、くじけたときの挫折感が大きく、
容易なことでは立ち上がれなくなるものだ。

原理原則にこだわりすぎる人たちが、世界中で宗教戦争を起こしている。

違うと思ったら変えればいいし、まちがったと思えばなおせばいい。
悪かったと思えば、素直に謝ればいいのだ。

やわらかさが強さであることを、私は勝負の世界で実感として学んだが、
これはあらゆる世界に通用する。
スポーツは言うにおよばず、仕事においても、人間関係においてもそうだ。

やわらかくあれば、譲ることができるし、許すことができるのだ。
固定観念は、物事の本質を見えにくくするし、騙されやすくなる。
「こうでなければ」という決めつけから自由になったとき、
取るべき選択肢は無限に広がる。


私が主宰する麻雀道場「雀鬼会」では、この牌の切り方を徹底して練習する。
その際、もっとも重視されるのは、
こういうときはこの牌を切るというテクニックではなく、
牌を切る動作そのものをいかに美しくするかということだ。

ゲームのなかでどの牌を捨てればよいかという判断のなかには、
その人の弱さ、臆病さ、疑い、損得勘定など、
人間の持っている欲やいやらしい部分が否応なしに出てくるものである。

だからせめて少しでも美しくなるよう、動きを磨くことで、
どんな状況にあってもぶれることなく、清々しく牌が切れるようにするのだ。

私の経験から言って、動作は人間の心理を如実に物語る。

私はなにも、ほかの人に見破られないよう、内心の動揺を隠すために
動きを訓練しろと言っているわけではない。

牌を切る動作を磨くことで、思考にも無駄がなくなり、美しさが出てくるのである。
これは長いこと道場生を見てきて、経験としてわかっていることだ。


世の中、心の正しさばかり訴えて、身体のありようはいい加減な人が多い。

心のありようが、人の表情や言葉に出ることはみんなよく知っているのに、
身体のありようが心を変えることを、どうして認めないのだろう。

ゆるんだ状態が一番強い、と常々私は言っている。
力を入れると「嘘だな」と身体が感じるのだ。

身体がそう教えてくれるということは、精神も、心も、
力を入れないほうが正直でいいということだろう。

身体のこわばりは、すなわち心のこわばりでもある。
固い心、かたくなな心は、自分を不自由にする。


「人間は万物の霊長」などと、まるで一番上等な生き物のように言われているが、
本当にそうなのかと思う。

自然のなかで、ひとり破壊者となって自然界と調和しない人間が、
本当にそうなのかと。

私は上等な人間になどなりたくない。

下等動物のほうの意識を大切に持っていないと、
感じる力が減っていくような気がするからだ。
うまく説明できないが、この下等動物の本能的意識と人間の感じる力は、
密接につながっているように思えてならない。

「『一瞬の勝機』のつかみ方」桜井章一より


力の抜き方。脱力。 スポーツやボクシングにおいても、力を入れるより抜く方が難しい。

また力が上手く抜けた動きの方が美しくもあります。

また心も身体も、固い(硬い)ものの方が挫折しやすくもあり、挫折した時の反動がすごかったり、怪我もしやすかったりします。

固い物や人を見てもなんだか危ないな~と思う事も多いものですしね。

固くなってしまわないように、「こうしろ。ああしろ。こうしなければいけない。」

そういった断定的な言葉を使うのはできるだけ避けるようにしています。

教育現場、仕事場、家庭、あらゆる場面でそういう言葉が使われますが、そう言われてしまうと身も心も固くなってしまいますし、人は自由にしたいという反発心も頭をもたげます。

個人的にはできるだけそういう空間にはしたくないですね。

あくまで「自然体」である事をモットーとしています。

こちらのやり方、型に嵌め込むのではなく、個人のやり方に合わせていく。

そういう方針、スタンスをとっています。

人間歳を重ねるほど身も心も固くなっていくけど、どちらもずっと柔らかくありたいものです。

自分のお世話になっている方で、年齢も倍以上生きている人は究極の柔らかさを持っています。

自分も歳をとったらその人位の柔らかさを身に付けれていられればなと思います。


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