医師の鎌田實氏の心に響く言葉より…
藤村俊二さんいお会いした。
ビシッとしたスーツに綿のチーフ、ノーネクタイ。
寸分の隙もないカッコよさ。
77歳。
自分を「ジイさん」だと言う。
「ぼくは若いころから、人と比べると、不幸がはじまると思ってきました。
人よりいい服が着たいとか、うまいものが食べたいとか、いい仕事をしたいと思うこともあるけど、そんなときはこう考えるんですよ。
誰だって誰かと比べたら足りないし、比べはじめたらきりがない。
でも、自分がこれで十分だと思えば十分じゃないか。
人と比べるより、自分の好きなものや自分らしいものを基点に生きるほうが、ずっと楽しい」
人と比べて無理をせず、あるがままを喜ぶ。
くよくよ悩まず、なるようになると覚悟を決める。
問題を解決しなければと執着せず、「まあ、いいや」と思う。
そんな生き方をしているという。
「オヒョイ」が、藤村さんのニックネーム。
なぜそう呼ばれているのか、理由を聞いた。
「イヤなことから逃げるんです。ヒョイッと」
笑いながら、そう言う。
まるで子供のような、あどけない顔だ。
「たとえば、お酒飲んでいてイヤなヤツが来たら、そのままヒョイッと他の店に行ってしまったりなんかして(笑)。
うまいんです、逃げちゃうの」
いいな、と思った。
逃げることって、ムダな争いや、してもしかたない抗(あらが)いをしないですむ知恵なんだ。
「がんばらないというのはカッコいいことです。
がんばっている姿を見せるのは、カッコ悪い。
水面をスイスイと泳いでいる水鳥も、水中では一所懸命もがいている。
しかし、私はもがく姿を見たくないし、見せたくないんです」
もちろん、ヒョイッと逃げるのが得意なオヒョイさんだって、いつも逃げているわけじゃない。
早稲田大学文学部演劇科ニ年のとき、理論や歴史を教えるだけの授業に物足りなさを感じて、大学を中退。
東宝芸能学校でダンスと歌を習い、日劇ダンシングチームに入った。
その後パリに渡り、安アパートの屋根裏部屋を借りてパントマイムの学校に通った。
イヤなことはしない代り、やりたいと思ったらすぐやるのが、オヒョイさん流。
見えないところでたくさんの努力をしている。
『人は一瞬で変われる』集英社
「三十六計逃げるに如かず」という中国の故事がある。
策略はたくさんあるが、困ったときは一旦逃げて兵力を温存し、機を見て再起をはかることの方が上策だということ。
孫子の兵法の中には、真正面から戦うということより、「いかに弱くみせるか」「勝ち目がなかったら戦わない」「戦争はやらないに越したことはない」、というような教えがいくつもある。
本当の武術の達人は、豪腕の人ではなく、力を抜くことを知っている人だ。
脱力して、ヒラヒラとしていながら、芯は強い。
「がんばっている姿を見せるのは、カッコ悪い」
猛烈に頑張っても、人前では努力のカケラも見せない、飄々(ひょうひょう)とした人でありたい。
【人の心に灯をともす】http://merumo.ne.jp/00564226.htmlより
先日の井岡選手VS八重樫選手の試合を観て一年近くぶりにジムにいらした会員さんが居ました。
関東の有名な世界チャンピオンを何人も輩出したヨネクラジムにいらした方ですが、やはり昔にボクシングをやってた方なので何らかの刺激を受けるものですね☆
あの試合の翌日の「せやねん」でもやってましたが、終盤で八重樫選手が果敢に攻めてきた時に、セコンドのお父さんに「地道に、地道に」と言われ、その通り実行していました。
あそこで無理に力んで打ちあっていたら非常にパワフルな強打を放つ八重樫選手ですから逆転負けも有り得る展開だったと思います。
新聞等では意地と意地のぶつかり合いと書かれていましたが、自分の観た感覚では、意地を前面に押し出してたのは八重樫選手の方で、井岡選手は意地というよりは立ち位置を変えたり、ジャブでリズムや距離を取ったり、どちらかというと非常にクレバーに闘ってたように感じました。
どんなスポーツでもそうですが、上級者程上手く力が抜けていますね。
ただ抜くだけではなく、上手く抜いているというのがポイントです。
自分ももっと上手く抜けるように頑張ろう。