私としては、あまり面白くなかったなというのが率直な感想です。
高校の行事、歩行祭を通し、訳ありな西脇融と甲田貴子の感情の変化を、二人の親友も絡めて進めていく。
こんな感じでした。
修学旅行のかわりに80㎞(だったかな?)の歩行を行事にしたという設定はとても良かった。100㎞ウルトラマラソンを経験している私にはわかる、走るんじゃなく歩くのがどれだけ大変か。
読み進めて思ってたのは、いつ事件は起こるのだろう?ということ。
あっ、このまま何もなくこの二人の感情が融和して終わるのかと予想できた瞬間に飽た。
そして貴子の親友で今はアメリカにいる榊杏奈の弟とかいうのが現れた際に、おいおい無理があるだろうと心の中で突っ込んでしまった。
融や貴子の友人が話す、雑音やタイミングの箇所はすごく同意できた。これを高校生の口から言わせるって、ずいぶん大人びた高校生だなと思ったが、受験を乗り切るための恋人作りなど私の想像しない現実があるみたいなので、今の高校生は大人なのかも。
「蜜蜂と遠雷」が良かったので別の作品もと、第2回本屋大賞受賞作の本作を手にしましたが、
これで恩田陸さんの作品はとうぶんいいかな。
貴子が前半に一緒に歩いてた梨香と千秋は、後半に美和子を選んだ貴子に対してどう思ってるんだろう?
そんなどうでもいいことを考えてしまう。