業務&ITコンサルタントのひとり言

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壊れたニッポンを治す為の処方箋#3:3月24日の日経「理工系学部定員1.1万人増」の判断の遅さ

2024年04月20日 14時45分44秒 | 社会全般
3月24日の日経に『理工系学部定員1.1万人増』と云う記事があった。全く持って遅い対応である。文面には「学位取得者全体の35%に留まり、英国の45%、ドイツや韓国の42%より低い」とある。実際、小国とアメリカを除いて製造業が発達していない国家は発展していない。

アメリカでは、理系の学生の割合は、日本と同じ程度との事であり、製造業もそこそこある。但し、GAFAなどのIT関連の売上が極端に大きい為、そちらが目立ってしまっている。また、小国と言えども、シンガポールでは製造業にも力を入れている事を知る必要がある。そして、ITは製造業とは言えない部分もあるが、必要とする人材は、理工系である。そういった意味では、アメリカの大学では、IT関連の人材を多く育成しているので、これも理工系が重要と云う点では一致している。余談だが、自分が学生だった数十年前であっても、文系でもコンピュータは難なく使え、簡単なプログラミングを出来る学生も沢山居た。しかし日本では、現代でもPCの操作に怪しい文系の学生が居ると聞く。ここが大きな問題であろう。

IT関連ではそのIT企業のみが潤っているが、製造業では、下請けなどの関連する企業が多く、裾野が広い。その為、GAFAとトヨタグループを比較しても、トヨタグループの方が従業員数は遥かに多いだろう。自動車関連の従業員数は、500万人以上とも云われている。IT関連よりは遥かに多い。

自動車業界以外では、一般機械関連、電機・電器関連、そして化学製品関連が重要な製造業である。そして、化学製品含まれるであろうが、昨今は医薬品関連の重要度が高くなってきており、先進国ではこの医薬品関連で強い国家が多い。この様に、理工系の教育に力を入れていない国家は伸びないし、衰退する。

日本では、昔から工業高校が整備されており、大学での理工系の学生と、工業高校からの卒業生も合わせて、理系を勉強した学生の割合は多かった。

しかし最近は大学の学生数は年々伸びているが、この理工系の学生数の伸びは少なく、近年は減少傾向にあった。それを見直したと云うだけの事であり、遅かりしとした言えない。しかし、理工系の定員が増える事は良い事なので、これからもっと理工系の比率を高めて欲しいモノである。
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