スローライフ~子どもと楽しむスローな時間

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日本原燃申し入れ時に読み上げた宣言文

2012-03-11 03:09:12 | 反核、反原発

3月7日の日本原燃への申し入れ時に読み上げた、サミットで採択された宣言文を以下に紹介します。


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日本原燃株式会社 様   


再処理工場の試験再開を断念し、工場閉鎖に向けた準備を開始するよう求めます

3回六ヶ所ラプソディー東日本市民サミット参加者一同


 今年20121月、貴社はガラス固化のトラブルのため中断していた再処理工場のアクティブ試験再開に向けた準備を開始しました。ところが、124日に炉の確認作業に着手したものの、1週間もたたない130日には溶けたガラスが流れない不具合が生じ、中断せざるを得なくなり、23日になって延期を発表しました。


 これにより、それでなくとも無理だといわれていた201210月の工場完成(本格稼働)がほとんど絶望的になりました。


 私たちは、これを機に再処理工場の試験再開を断念し、工場閉鎖に向けた準備を開始するよう、強く求めます。



 私たちは、かねてから再処理工場から排出される大量の放射能が、豊かな三陸の海や東北の大地を汚染することを恐れ、稼働の中止を求めてきました。そして再処理工場が本格稼働すれば、仮に事故・トラブルがなくとも、日常的に原発が1年に出す放射能を1日で出し、世界三大漁場といわれる三陸の海を放射能で汚染してしまうことを多くの市民が心配してきました。


 ところが、その心配は思いもかけないところから現実のものになってしまいました。東京電力福島第一原発の事故により、海に大量の高濃度放射能汚染水が垂れ流され、福島沖などでは海底の土壌や魚が汚染させられていることが報告されています。


 東日本大震災から1年が経とうとし、被災地では復興にむけた取組が急ピッチで進んでいますが、それを最も阻んでいるのは、この原発―放射能汚染との闘いです。これ以上、海に空に放射能を流さないでくれ、もう放射能はいらない、これがすべての被災者の願いであり、最低限の要求です。


 改めていう必要もないように、再処理工場では原発の使用済核燃料を加工してプルトニウムを取り出し、その結果として高レベルの放射性廃液が核のゴミとして取り出されます。


本格稼働すれば日常的に放射能が垂れ流されるだけではなく、もし事故があって、これらの放射性物質が少しでも環境に漏れ出したら、もはや東北の大地は人の住めない土地になってしまいます。いま、福島の人たちは、ふるさとを返せと悲痛な思いで叫んでいます。東京電力も出資している貴社は、この叫びにどのように応えるのですか? 数々のトラブルを起こしている再処理工場でシビアアクシデントが起きないという保証は全くありません。私たちは、かけがえのないふるさと、三陸の海を何が何でも守るために、一刻も早く再処理工場の試験中止―閉鎖を求めます。


 

再処理工場の閉鎖を求める根拠は以下の通りです。


1)巨大地震が起きる可能性が高い

福島第一原発の事故は、M9という巨大地震を想定していなかったことが理由の一つとしてあげられています。この六ヶ所でも巨大地震の起きる可能性が指摘されています。東洋大学の渡辺満久教授らは、変動地形学の観点から再三「六ヶ所断層」の存在を指摘していますが、貴社はその可能性を否定しています。「日本原燃と審査委員会(原子力安全・保安院と原子力安全委員会)は、六ヶ所断層を活断層とは認めず、大陸棚外縁断層も活断層ではないと結論している。…審査委員会の行為は、活断層の存在が否定できないものは考慮すべきであると謳う『新指針』や『手引き』に対する明白な背信行為である」(「世界」20121月号)と、渡辺さんらが貴社や国を強く批判しています。また、北海道大学の平川一臣特任教授は今年1月、下北半島沖でもM9レベルの地震を起こす震源域があるとする説を発表しています。

これらのことより、貴社には新潟中越沖地震、東日本大震災と同様の「想定外」という言葉を使うことにならないよう、核燃サイクル施設の底に眠る活断層の存在について、再度念入りに調査・検討する義務が全国民に対してあります。現在の調査能力と科学では把握できない活断層も多いため、予防原則に基づき疑わしきは稼働せずに閉鎖することを求めます。


2)地震に対して、対策が全く不十分である

昨年47日の東日本大震災の余震の際、再処理工場では外部電源を喪失し、非常用電源で対応するという非常事態になりました。幸い、外部電源は1日で復旧したものの、これが長期にわたると、高レベル廃液の管理などに重要な影響が及びます。 

これを重く視たのか、昨年11月保安院は貴社に対しストレステストの報告を出すように指示をだしていますが、報告書の提出時期は今年の4月以降とされています。福島事故をうけて地震対策の検証をするという意味でのテストが「合格」していないにもかかわらず、貴社が試験再開に向けた準備を始めたことは、安全を軽視していることに他ならず、地震 対策の不備が想定されます。


3)ガラス固化の技術をはじめ、再処理の技術が確立されておらずトラブル続きである

貴社はこの間再三、「工事の進捗は90%以上である」と宣伝してきました。あと残りちょっとのところなんだ、ということを言いたいのでしょうが、その残りちょっとが、決定的にダメなことは、貴社もお分かりのことと思います。ガラス固化できない限りは、再処理工場は稼働できません。また、その他にも

2010年 高レベル廃液濃縮缶の温度計保護管に腐食孔 

20117月安全蒸気ボイラ2台が同時故障 

などのトラブルが発生しています。

 今後もトラブルが多発する恐れがあり、それが従業員の内部被ばくや、環境への放射能

汚染につながる可能性も大きいと思われます。


4)そもそも核燃サイクルは破たんしている

核燃サイクルのもう一つの要である「高速増殖炉もんじゅ」は、来年度の運転試験予算計上が見送られるなど、中止の瀬戸際に立たされています。そもそも1日に5000万円の維持費がかかり、まったく稼働のめどがたたない「もんじゅ」にこれ以上国の予算を計上することはおかしいのではないかという声は、政府・国会でも高まっています。

また、国は原発のコストを計算して、再処理するほうが「直接処分」より割高になっていることを改めて示しました。さらに、原発事故をうけて、プルサーマル計画は風前の灯です。原発の再稼働が問題になっているなかで、明らかに通常運転より危険なプルサーマルなど論外です。

これらのことより、再処理を進めることに合理的な理由を見出すことはますます困難になっています。川井社長は、再処理工場を現時点で閉鎖した場合、これまでの建設費約2.2兆円に加えて解体などに約1.4兆円もの費用がかかるとの試算結果を公表しましたが、この金額で済むのであれば、すぐに解体していただきたいと思います。これからさらに試験が進み、工場内部が放射能に汚染されたら、さらに費用は増してしまいます。なにより、万が一福島のような事故が起こってしまえば、何10兆円という膨大な費用が必要となり、とても一企業で賄えるものではありません。


福島原発の事故をうけ、放射能の影響の計り知れない大きさを、わたしたち東北の民は目の当たりにしました。かねてから問題だらけで、多くの批判があった再処理工場ですが、これ以上、原発も再処理工場も放射能もいらない、今は多くの人がその気持ちでいっぱいです。


再処理工場の閉鎖に伴って、1.4兆円もの事業になるのであれば、その分の雇用創出が生まれます。ぜひ、川井社長には再処理事業断念の英断を下されるように、私たちは強く求めます。

 

                                2012212

 第3回六ヶ所村ラプソディー東日本市民サミット参加者一同


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