ちょっと前の話になってしまいましたが・・・
2月18日、今年度最後の小学校での高学年のお話し会がありました。
最後のお話し会に選んだ本は
-「ありがとう、フォルカーせんせい」(絵本)作・絵:パトリシア・ポラッコ
-「子どもたちの遺言」(詩集)詩・谷川俊太郎 写真:田淵章三
「ありがとう、フォルカーせんせい」は、LD(学習障害)児であるトリシャのお話。
ありがとう、フォルカーせんせい |
トリシャは絵が上手でおしゃべりもできるのに、字がなかなか読めるようになりません。学校ではみんなから字が読めないことをからかわれいじめられ苦しみは増すばかりです。でも、5年生になったとき、新しい先生、フォルカー先生がやってきたことでトリシャの人生が大きく変わります。
実はトリシャは、作者のパトリシア・ポラッコ自身です。字が読めなかった女の子が、子供達のための本を書いているのです!
本の中で、トリシャがおばあちゃんに聞きます。
「わたしって みんなと ちがう?」
おばあちゃんは言います。「もちろんだよ。みんなとちがうってことは、いちばんすてきなことじゃないか」
トリシャ「わたしって あたま いい?」
おばあちゃん「おまえは せかいじゅうで いちばんかしこくて、おりこうで、かわいらしい子にきまってるじゃないか」
おじいちゃん、おばあちゃんは、いつでもトリシャのあるがままを受け入れ包み込んでくれました。トリシャは、あるがままの自分を受け入れてくれる人がいる、愛されているという揺るぎない実感が心の底にあったからこそ、いじめられながらも学校でがんばってこれたし、そのことがフォルカー先生との出会いを人生の転機へと生かすことができたのではないかと思いました。子ども達には、あるがままの自分を受け入れられるという実感の積み重ねを、この子ども時代に十分に経験して欲しい、そう思います。それが自己肯定感の形成につながっていくのではないでしょうか。
5・6年生のみんなは、どんな感想をもったのでしょうか?
「子どもたちの遺言」は、生まれたてのへその緒がついた赤ちゃんから成人式を迎えた20歳までの子ども達の生き生きとした表情をとらえた年代ごとの写真に谷川俊太郎が詩をよせた写真詩集。子どもたちの生きざまや声が生き生きと伝わってくる作品です。
もうすぐ卒業する6年生へのエールのつもりで読みました。
子どもたちの遺言 |
お話し会が終わったあと、なかなか6年生が立ち上がりません。
どうしたのかなと思ったら・・・
代表の女の子が一人立ち上がって、「今まで自分達のためにたくさんのお話を読んでくれてありがとう」、それにつづいて会場のみんなからも大きな声でありがとうと、お礼の言葉がありました。予想外のことでびっくり! 自分達(子ども達)に思いを馳せ、本を選び読んでくれた大人がいたということを、少しでもいいから覚えていてくれたらうれしいです。
でも、せっかくのサプライズだったけれども、先生に言わされている感がたっぷりで、なんだかちょっとロボットみたい。おまけに、「お話し会で読んでくれた○○○がとてもよかったです」と付け加えてくれたんだけれど、「え? そんな本よんでないんだけど・・・」
それでも、お礼に対するお礼を言おうとしたけど、6年生ももう卒業かあ・・・と思ったら涙声になってしまいました。
私達も、子ども達の学校生活の一部に関わることができ、お話しを聞いてもらうことを通してみんなの成長を直に感じることができて、とてもうれしく思います。本当にありがとうございました。
今年は図書ボランティアにとって、本当にすばらしい1年でした。
会員数が大きく増え、色々な芸の持ち主が集まり、それぞれが無理なく、自分のできることを楽しみながら活動できた1年でした。
お話し会は、絵本、紙芝居、うた、手作りのしかけ絵本やエプロンシアター、手遊びなど、バラエティーに富んだ内容になってきていて、とてもいい雰囲気です。以前みたいに、みんなの気持ちを滅入らせるような面倒なことをいう人もいないし。
また、図書室の飾り付けも季節にあわせて変えるなどとても素敵でした。
会員の誰もが、楽しかった、来年も続けたいと言っていました!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます