ファビオ・ルイージ指揮サイトウキネンのコンサートが終わって2時間が経つのに、興奮収まらず。なんと表現すれば、今日の感動が伝えられるのだろう。
前半のシュミットの交響曲4番は聴いたことがない曲でした。ひとり娘を亡くした彼が追悼のために書いたというだけ知っていて。
始まってすぐ、オーケストラのコンサートって、こんなにすごいものなのか。こんなの聴いたことがない、と。
で、4楽章あるのに、そのすごい演奏は途切れることなく45分続いたのです。
オーケストラって、交響曲って、こんなすごいものだとは知らなかった。
終わると客席からは拍手大歓声。ステージではマエストロを讃える楽団員の大きな足踏み。
あまりにも素晴らしい演奏だったので、これで今日のコンサートは終わりにすべきだという気がしました。これ以上、なにを求めるのか。
でも後半のマーラーの巨人が始まり、そのような雑念はすぐに消え、ぼくらはマーラーの世界に呑み込まれていきました。
マエストロは全身全霊で振っていました。指揮棒は持たず、10本の指と腕の振りと全身を使って次々に指示を出していた。その時々に最も重要なテーマをそのパートに伝えていた。
第四楽章の弦の盛り上がりのところで、絶叫しそうでした。そして発狂しそうでも。
エンディングと同時に大歓声とブラボーの嵐。
観客も楽団員もカーテンコールで何度もマエストロを呼び戻し。
明日もオペラだからこのへんで、とマエストロに促され退場したものの。
まだ帰りたくない大観衆の拍手喝采に楽団員たちはまた登場。そしてマエストロまで。
こんな光景、当然、見たことない。
ぼくら観客だけでなく、楽団員にもマエストロにも特別の夜だったのでしょう。