マドリードを八時半に出てコルドバには一時過ぎに着きました。今朝もしっかりすぎるほど朝食を食べたのでお腹は空いていません。でもそろそろビールでも飲みたくなってきました。この二日はチキン、サーモンと単純な焼物の料理が続きましたが、連れていかれたレストランで出てきたのはなかなか手が込んだ料理でした。まずはガスパッチョというトマトの冷製スープ。スペインではポピュラーなスープだそうです。今日も暑いのでとても美味しかった。そのあとハムを豚肉を巻いたうえに揚げたものが出ました。スパイスが効いていてワインに合います。結構いけました。デザートにスイカもでて満腹です。
食事がすんで観光開始。世界遺産の「コルドバ歴史地区」を歩きます。コルドバはイスラムのウマイヤ朝が756年に首都とした街で、10世紀ごろまでは100万人が住む大都市だったそうです。イスラム教徒によって持ち込まれたギリシャ、ローマ時代の文献が多く残っていたことから、それらを学ぶいわば大学のような学校があり、学問の都市として栄えていました。その繁栄の象徴がイスラム教徒のモスク、メスキータです。10世紀末には拡張工事で数万人を収容する巨大モスクとなりました。しかし13世紀にレコンキスタでカスティージャ王国がコルドバを再征服すると、カトリック教会の教会堂に転用されます。メスキータの一部を壊し、礼拝堂を設けたりカテドラルが新設されて、メスキータはイスラム教とキリスト教、ふたつの宗教が同居する世にも珍しい建築となったのです。
中に入ってマヨール礼拝堂の祭壇や円柱の森などを見ます。昨日トレド大聖堂を見たばかりですが、引けを取らない堂々たるものです。キリスト教徒が全て破壊しなかったのは、あまりにも素晴らしい建物だったからでしょう。宗教の壁を超えた畏敬の念を抱いたのではないでしょうか。
メスキータを出てかってのユダヤ人街を歩きました。曲がりくねった細い道、パティオのある白壁の家並み、その白壁に飾られた花の鉢植え。こういった景色がアンダルシア地方特有のものだとのことです。“花の小径”と称される有名な路地も見たところでコルドバ観光を切り上げました。再びバスに乗り、セビリアに向かいます。