深夜近く、大通りを独りで歩いていた。
四月四日のことである。
遠方に仙台一の高層ビルが姿を現した時、、その上方からはっきりと感じるものがあった。
歩をなお進めると、、それは強烈なものとなって行き、これまでの人生で最大のものとなり、そして遂には奔流の如くとなった。
やがて情景が幾つも見え始めた。
令嬢は床にへたり込む様にして座っていた。照明は暗めにしていたのではないか?
出会った頃からいくと髪は随分と長くなっていた。
間もなく彼女は、、
帰路、、胸中頻りに去来するものがあり、感慨いつまでも尽きることはなかった
奇妙なことを記した。
春宵一刻の夢として読んで頂けたならば幸いである。
その一生の間、一度や二度、桜花の如くに美しい情景が全ての人に必ず訪れるのである。