彩雲弦楽器工房

山形市にあるギター等の弦楽器工房です。製作、メンテナンスや修理、改造はお任せください。

すり合わせ

2010年07月30日 | 修理日記
このギターはネック角がきつく、弦高が低くなってしまっていました。
5,6弦が特にビビリます。
サドルで弦高を上げようにも現状でかなりブリッジ上面からサドルがとび出ているのでこれ以上は高くできない。(サドルを分厚い物にすればいけるかもしれませんが、あまりいい方法とは言えないと思います。)

こういう場合、予算との兼ね合いで数段階の処置方法がありますので挙げて見ます。

①ネックリセット
 本道な修理ですが、代金が高くつきます。
②指板を一旦剥がし、接着面にスペーサーをかます。
 スペーサーの厚みをヘッド側と指板エンド側で差をつけネック角を変えるのと同じ効果を出します。ネックリセットより安くあがります。
③指板修正
 理屈は②と同じですが、こちらは指板を剥がさず指板を削って厚みに差をつけようという手段です。が、指板がもともと薄いものだとできません。②よりも安くあがります。
④フレットすり合わせ
 これも②、③と理屈は同じでフレットの高さを0F側と最終F側で高さに差をつけようという手段です。が、これもあまり効果は期待できず、現状より少しでも改善できればいいかなという程度です。さらに0F側か、最終F側のどちらかのフレットがべたべたに低くなってしまいます。しかし、この方法が一番安くあがります。

②~④はネックの厚みやフレットの高さが変わるので多少左手の感覚が変わります。

今回のギターは④をやりました。
やはり完全にビビリがなくなるという事はありませんでしたが、確実に改善されています。


ちなみにすり合わせは最近編み出した方法で、弦を張ってチューニングした状態ですり合わせをする方法をとりました。
弦を張った状態をシュミレーションしてすり合わせる方法はいままでにもありましたが、実際に使う弦を張った状態ですり合わせる方法は新しい技術じゃないかなと思います。
誰かやってる人いるのかな?


ふぅ。今日はよく喋った・・・




禁煙メーター 78日目
コメント (2)
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