レンやマイと同じだけの時間がアオイにも流れた。
そんな時間の中で、担任や家族や仲の良い友達とした進路に関する相談や何気ない会話がアオイの不安を少しずつ拭い去っていった。
卒業式の2週間後、アオイは再び校舎内に足を踏み入れた。
担任はもちろん、他にもお世話になった先生達に最後の挨拶をするためだ。
「先生、私、明日東京へ行くことになりました。」
「そっかぁ。ついにこの日が来たのね。まさかもう迷いはないわよね?」
担任は少し笑いながらアオイに言った。
「は、はい! 先生のおかげです! でも家族とか友達とか先生と離れ離れになるのは寂しいかな。」
「時々メールしてよ! 何でも相談になるからさ! はい、これ私の連絡先!」
そう言って担任は自分の机の引き出しから自分の連絡先などを前もって書いておいたメモ紙を四つ折りにしてアオイに渡した。
「ありがとうございます! 10年後の私に責められないように一生懸命頑張ります!」
「そうね。10年なんてあっという間よ! すぐにオバサンになっちゃうんだから。でも決して焦らないこと! たくさん努力して、たくさん苦労して、たくさん遊んで、たくさん恋愛もしなさいよ~。」
「は、はい…」
最後の"恋愛"が引っかかったのか、アオイは苦笑いで返事をした。
翌日、アオイは両親に空港まで見送られた。
「それじゃあ、やれるだけやってくるね!」
アオイは明るく両親に言った。
「うん、頑張って来い!」と父。
「気をつけてね。着いたら連絡するのよ!」と母。
アオイは将来後悔するかもしれないし、後悔しないかもしれない道を歩き出した。
「"明日後悔しない今日"をひとつずつゆっくり何千個も積み重ねていきなさい。
それがきっと"将来後悔しない今"に変わるから。」
飛行機の中で広げてみた担任に昨日渡されたメモ紙の連絡先の後にはそう書いてあった。
(第9章へ続く)
そんな時間の中で、担任や家族や仲の良い友達とした進路に関する相談や何気ない会話がアオイの不安を少しずつ拭い去っていった。
卒業式の2週間後、アオイは再び校舎内に足を踏み入れた。
担任はもちろん、他にもお世話になった先生達に最後の挨拶をするためだ。
「先生、私、明日東京へ行くことになりました。」
「そっかぁ。ついにこの日が来たのね。まさかもう迷いはないわよね?」
担任は少し笑いながらアオイに言った。
「は、はい! 先生のおかげです! でも家族とか友達とか先生と離れ離れになるのは寂しいかな。」
「時々メールしてよ! 何でも相談になるからさ! はい、これ私の連絡先!」
そう言って担任は自分の机の引き出しから自分の連絡先などを前もって書いておいたメモ紙を四つ折りにしてアオイに渡した。
「ありがとうございます! 10年後の私に責められないように一生懸命頑張ります!」
「そうね。10年なんてあっという間よ! すぐにオバサンになっちゃうんだから。でも決して焦らないこと! たくさん努力して、たくさん苦労して、たくさん遊んで、たくさん恋愛もしなさいよ~。」
「は、はい…」
最後の"恋愛"が引っかかったのか、アオイは苦笑いで返事をした。
翌日、アオイは両親に空港まで見送られた。
「それじゃあ、やれるだけやってくるね!」
アオイは明るく両親に言った。
「うん、頑張って来い!」と父。
「気をつけてね。着いたら連絡するのよ!」と母。
アオイは将来後悔するかもしれないし、後悔しないかもしれない道を歩き出した。
「"明日後悔しない今日"をひとつずつゆっくり何千個も積み重ねていきなさい。
それがきっと"将来後悔しない今"に変わるから。」
飛行機の中で広げてみた担任に昨日渡されたメモ紙の連絡先の後にはそう書いてあった。
(第9章へ続く)