消えそうなほどかすかな風が
耳元に アイシテイル を
運んでくるとき
わたしは 孤独のない海で
あなたへ寄せる 波になる
【男女の間の恋のささやき】
内証話、ひそひそ話、ささやきごとの
意ですが、特に恋に限定した場合は、
男女のむつごとや、恋のささやきの
ことをいいます。
耳もとで小声でささやくので、
「耳語」「耳ごと」などという
言い方もします。
「私語」というと一般には、若者や
おばさんが、場所もわきまえずに
喋っている印象がありますが、
「ささめごと」という言い方に
変えると、とたんになまめかしく
秘密めいて、男女の愛の世界が
開けるのですから、
言葉の力とはたいしたものですね。
新内では「浮寝のささめごと」な
どという艶な言い方をします。
※新内 しんない
「新内節(ぶし)」の略。
浄瑠璃(じょうるり)の一種。鶴賀(つるが)
新内が語り始めたもの。心中(しんじゅう)
物などを題材とし、哀調の中に花やかさ
があるのが特色。
舞台から離れ、花街などの流し
として発展。
哀調のある節にのせて哀しい
女性の人生を
歌いあげる新内節は、遊里の
女性たちに
大いに受けた。