更新されない私たちの思い出について、考えてみた。

もう綺麗なんて言われないですむ。　

　もうあなたに綺麗なんて言われて

ドキドキしなくてすむ。

あなたと別れたら。

この店を出たなら消えてしまうから今この店

あの頃にいる時は　きづけなかったけど

 

　すごく、楽しかったんだよね。

言いにくいことを 言いにくそうに言う あなたらしさのそれがやさしさ

好きじゃないから

　好きじゃないから

　　好きじゃないから

暑く熱くなりそうな朝 朝露の粒子の中にあなたを想う

「それだけです」と

書いた手紙の余白には

それだけでない心がにじむ

 

手作りのパンによろこぶ君がいて 夏の一日 ただエピソード

出かけゆく君に手渡すおにぎり

塩あじひかえめ

愛もひかえめ

私にはわからないこと生き生きと仕事という名の彼女がひとり

いつもより

心はなれているみたい

少しゆっくり歩いてみよう

さよならのつじつまあわせ思いきり美しく書く恋のメルヘン

明日からは　

君と呼べない君がいて　

バラの花束色のピリオド

レインボーカラーのタオルにかけかえて人待つ顔が鏡に映る

「私から電話します」と言って

切る終わりにできない

想い切るため

悲しむのも集中力

散ってゆく恋ならどうぞ

でもせめて

このチューリップよりゆっくりと

何層もあなたの愛に包まれてアップルパイのリンゴになろう

ある人を信じ続けて、

ずっと手紙を出すという物語を

やりたかった。

 

 

返事が来なくても。

今、どうしてるかわからなく

ても。

ふたりでいた時間を、ふたりでの

やりとりをずっと信じて。

自分にも価値あることは、相手にも

価値あることと信じて。

ずっと手紙を出し続ける女の子を。

 

迷惑じゃないだろうか。

うっとうしくないだろうか。

 

と、その文面に気をつかいながらも。