ものをいつくしみ、自分をいつく
しむ。これは毎日の暮らしをいつ
くしむということだと思うのです。
いつくしむ方法は、一日一回、さわ
ること。ごく単純ですが、とても
大きなことだと思います。
さわったことで、あたかも命の
吐息がふきかかったごとく、その
ものがすこし元気になるのです。
逆に言えば、誰にもふれられず
置き去りにされたものは、
やがて生気を失います。
さわるとまた、点検でもあります。
自分の手足や髪といった細部も、
ものと同じように一日一回はきち
んとさわり、点検し、すこやかか
どうか確かめましょう。
大切なものにふれる暇もなく終る
日々が連なるとは、大切なものを
ぼろぼろと取りこぼしていく日々
が積み重なることでもあります。
大切なものにさわり、あいさつを
しましょう。明日のために、今日
もていねいな「おやすみなさい」
と言えるように。
〇ここ一年、さわっていないもの
があったら、断捨離を考えてみま
しょう。
〇夜ねむる前、足にクリームを
つけてマッサージ。「今日もあり
がとう」と声をかけて。