昨日は、最高気温が22度と、久しぶりに暖かくなった札幌。
旦那さんとSapoと三人で、ロシア料理のお店で、ランチをいただいてきた。
↓ロシア料理 シュシュ エルミタージュさん
ちょっと見つけにくい場所にあるこのお店は、
天井が少し低め、静かで大人がゆっくりできそうなところ。
↓細長い店内は、写真左側にお部屋が広がっている。
お昼時間は、ランチのセットかコースのメニューのみなので、
それぞれランチのセットを頼むことにした。
(コースは、量が半端ないです)
↓どのセット・コースにもボルシチがセットされている。
澄んだピンクのスープに、
「丁寧に作ってるんだなぁ」とまず感心。
旦那さんがいただいたのは、『ビーフストロガノフセット』
そうそう、ビーフストロガノフ って牛肉じゃなくってもいいそうな。
ビーフ っていうのは、英語の「ビーフ(牛肉)」じゃなくて、
ロシア語の「ベフ(~風)」って意味なんだそうだ。
つまり、『ストロガノフ風』って意味なんだって。
ちなみに、『ストロガノフ』っていうのは、人の名前らしい。
人聞きばかりの『らしい』情報・・・(笑)。
Sapoがいただいたのは、つぼ焼きセット。
↓つぼ焼きって、これらしい。
(これに別にパンがついてくる)
パイとパンの間くらいの生地が、カップの上にのっている。
中にはシチューが入っていて、パンをちぎってシチューにつけていただく。
カップの横のハンカチっぽいのは、持ち手に巻いてあるミトンの役割をするもの。
私がいただいたのは、ピロシキセット。
具が、『肉』『じゃがいも』『キャベツ』があり、私は前者2つをチョイス。
Sapoと私のセットには、サラダが別盛りでついている。
食後に、旦那さんは珈琲、Sapoは紅茶、私はトマトジュースをいただいた。
塩分無添加のトマトジュースは、超美味しかった。
デザートには、ケフィアヨーグルト。
どれも、薄めの上品な味付けで、ホッとする料理だった。
店内のロシア民芸品のスプーンを見て、痛い思い出が頭に浮かんだ。
実は私、独身時代にロシア語を習っていたことがある。
私の住んでいるその街は、当時、ロシア(当時はソ連)の観光客が多かった。
私は、ボランティアで手話通訳をしていたのだが、
「手話ができて、ロシア語もできる人が、この街には必要なんじゃないか」
と思い、ロシア語教室に通い始めたのだった。
(スプーンは、同時知り合ったロシア人の方に、お土産でいただいた)
1年が過ぎた頃、私の予想はあたり、その街に「ロシア語と手話ができる人」が必要な事態が起きた。
参加者400人ほどのイベントで、ロシア語と手話ができる司会が必要になったのだ。
もちろん私に白羽の矢が立った。
他にできる人がいない以上、私が引き受けるしかなかった。
しかし、しかし・・・だ。
考えても見てほしい。
たかが1年勉強したって、ロシア語通訳などできるはずがない。
英語なら、中学一年生レベルだ。
私は、イベントに参加するロシアの団体責任者さんと、
露和辞書を片手に、何度も打ち合わせを重ねた。
責任者さんは、私のロシア語の実力をよく理解してくれて、
簡単なロシア語で原稿を書き、
「当日は、これだけわかれば大丈夫!」
と細かな段取りをしてくれた。
「本当に親切な人で良かった!」
とつくづく感謝した。
そして、当日がやってきた。
責任者さんは、打ち合わせ通りに、ロシア語で話をし、
私は、それを「日本語(口頭)」と「手話」に通訳していった。
(正確には、覚えて行ったことをしゃべっただけなんだけど・・・)
しかし、そこで事件は起きた。
会場の反応があまりによく、気を良くした責任者さんが、
打ち合わせにないことを、手を振りながら叫び始めたのだ。
「え~!勘弁してよ!」
と責任者さんの顔を覗き込んだが、責任者さんの目は、
真っすぐに客席に向けられたまま・・・。
私の頭の中は、真っ白になった。
「何か、言わなきゃ・・・」
気持ちが焦るから、それでなくてもわからないロシア語が、ますますわからなくなる。
気がついたら、私は、こう言っていた。
「みなさん、今日はありがとうございました。
みなさんの温かい声援、私は忘れません。
また、必ずこの街にやってきます!
どうぞ、忘れずにいて下さい!」
責任者さんが、本当にそう言ったかどうかは、わからない。
(9割方、言ってない・・・笑)
ただ、
「私なら、この場で、こう言うであろう」
ことを言ってみたので、そう遠い内容ではなかったのではないかと・・・(笑)。
その後、この責任者さんが、もう一度あの街を訪れたかどうかは、定かではないけれど。
「主催者さん、観客の皆さん、そして、ロシアの団体の皆さん、
あの時は、本当にごめんなさい。」
と心でお詫びをしながら、頂くロシア料理は、それでもやっぱり美味しかった。