95歳になる祖母のところに遊びに行った。
立って作業するのは難しい祖母に代わってお茶を入れようと食器棚を開けて、
懐かしいものを見つけた。
私が、高校の修学旅行でお土産に買ってきた湯飲み茶わんだ。
もう30数年前になる。
祖母は、2年前に有料老人ホームに引っ越してきたので、
荷物は10畳の一部屋に収まるだけしか持ってきていない。
その中で、この湯飲み茶わんを持ってきてくれたのだと思うと、
とてもうれしかった。
「90歳で迎えがきたら、あまり急ぐなといいなさい。」
「百歳で迎えがきたら、あまり長生きしても迷惑じゃないといいなさい。」
湯飲み茶わんに書いてあった。
そうだ、長生きの湯飲みだった。
「百十歳、まあ、よくここまで長生きしたもんじゃ、それではバイバイ」
いやいや、もっともっと長生きして下さいな、おばあちゃん!
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