“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

米ハリケーン被害額、過去2番目の規模  停電・交通混乱続く

2012年11月05日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き
軍事大国アメリカの現実です。政治経済の中枢が、台風の直撃を受けて社会的基盤が大きく破壊され、市民生活が大混乱しています。毎年何十兆円もの軍事費を使い、宇宙ステーションを打ち上げ運用しているアメリカでの出来事かと思わせる落差があります。貧富の格差拡大、固定もアメリカの現実ですが、政治経済の運営、理念を変更しなければ、このような問題は改善できないことを示しているように思います。

大統領選挙中、投票直前の自然災害という点でも注目に値します。アメリカ2大政党がこのような自然災害に有効な政策提起をしてこなかった結果でもあり、責任を問われる事態ではないかと思います。日本でも11年東日本大震災の復旧の遅れ、原子力発電所事故も民主党政権、旧自民党政権の政策運営の結果(無策)が大きく影響しています。地球温暖化に対してアメリカ大手企業の抵抗、その意向を受けてのアメリカ政権の消極的姿勢が自然災害・被害を拡大しています。軍事費に使う何割かの財政資金を使って社会的基盤整備を行っていれば、これだけ大きな災害による被害を減災していることも出来たはずです。

経済活動優先、地球環境破壊の企業活動を規制することも緊急課題になっていると思います。アメリカも、日本も環境保護、経済活動最優先の政治経済運営を転換すべきです。

<米ハリケーン被害額、過去2番目の規模  停電・交通混乱続く>

米東部を襲ったハリケーン「サンディ」の被害からの復旧が遅れている。ニューヨーク市南部などで停電や交通網の混乱が続き、被災地でのガソリン不足も深刻化してきた。4日に予定されたニューヨークシティー・マラソンが中止になるなど、観光産業にも影響。被害総額は当初予想より膨らみ、300億~500億ドル(2兆4000億~4兆円)と過去2番目級との見方が広がる。
 サンディ通過から5日過ぎた3日、ニューヨーク市のマンハッタン島北部は電力や交通機能が回復し、繁華街はにぎわいを取り戻している。
 ワシントンやボストンなど米東部の他の主要都市も機能は正常化した。ただ、ニューヨーク市南部のスタッテン島ではがれき撤去も進まず、復旧は濃淡が大きい。
 被災地全体でも、電力や交通網の復旧は半ばだ。上陸直後に約800万世帯が停電したが、3日現在で復旧は約6割のもよう。電力会社によると、被害の大きかったニュージャージー州などを含む完全復旧は、10日以降となる公算が大きい。
 老朽化した都市インフラの放置が被害の拡大につながった面も大きい。ニューヨーク州のクオモ知事は3日の記者会見で、ニューヨーク市の地下鉄が8割復旧したと述べたが、マンハッタン島南部を中心に部分運休が続く。海水で施設が腐食しているためだ。マンハッタン島に入る一般車両には、3人以上での相乗りを求める規制を導入した。
 燃料不足や停電の長期化で、物流など企業活動の一部での支障も続いている。大手ネット通販会社のニュージャージー州にある物流センターが停電し、配送できない状態に陥った。年末商戦の配送まで影響が長引くとの警戒感も広がる。
 被害総額は200億ドル超との見方があったが、金融大手バークレイズは2日、300億~500億ドルとの見積もりを公表した。災害リスク評価会社エクイキャトが1日出した予想を踏襲した形。1992年のハリケーン「アンドリュー」に匹敵し、2005年の「カトリーナ」に次ぐ過去2番目級の規模だ。
 観光への打撃も広がりかねない。3億4000万ドルの経済効果をもたらすといわれ、ブルームバーグ市長が強行開催を主張していたニューヨークシティー・マラソンは2日、中止が決まった。
 市長側近がスタート地点のスタッテン島を視察した際、住民が激怒し、中止の決定打になったという。レースのため用意した物資は被災者支援に回すほか、大会運営事務局、スポンサーらが250万ドル以上を寄付した。
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世界の暗雲と「政治不況」

2012年11月05日 08時00分00秒 | 臼蔵の呟き
 ギリシャの財政危機、スペイン財政危機による緊縮策、景気後退で、失業者の増加が政治的危機に発展しそうな状況になっています。一国の問題ではなく、EU全体の政治経済問題となっています。また、トドイツを中心とする金融支援を行っていますが、危機的な状況を打開することは非常に難しくなっています。支援される国が、政治的に安定することがどうしても必要です。若年者の雇用問題を改善しない限り、政治的な安定は実現できません。

アメリカは大統領選挙の行方が分からず、オバマかロムニーかでアメリカの政治経済は大きく変化します。同時に、そのことで世界各国の政治経済運営にも大きな影響が出てきます。むき出しの新自由主義路線の強調、共和党路線が選択されれば、現在の金融危機継続、格差拡大、民主主義的な運動への攻撃などが一層強まることも予測されます。

日本の民主党政権は末期症状であり、解散総選挙は不可避です。消費税率引き上げがせまり、大手家電企業の大量リストラ、非正規労働者の雇用問題が日本経済のネックになっています。政治的な解決が求められる状況に、政府が無策であり、改善が出来ないでいます。震災復旧・復興対策も遅々として進まず、2年がたとうとしています。東北地区の過疎化、自治体機能の衰退は、改善の見通しが立ちません。今までの価値観、経済理論が現在の危機的な状況を解決することが出来ないでいます。発想の転換が必要になっていると思います。人口の減少を受け入れ、大企業中心の大量生産、大量消費型でない産業の育成、再生可能エネルギーへの投資と、作業としての育成、食糧自給率の向上、正規労働の拡大、非正規労働の規制などを政策的に進めることが必要な段階になっているのだと思います。

<週のはじめに考える 世界の暗雲と「政治不況」>東京新聞社説

 景気が悪化しています。世界を見渡しても、欧州は債務金融危機を脱せず、中国もバブル経済が破裂寸前です。日本はまず「政治不況」を打開せねば。
 東京で開かれた先の国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会は四十八年ぶりの大イベントでした。しかし正直に言って、いまひとつ盛り上がりに欠けました。関係者の努力は多としながらも、肝心の経済に暗雲が立ち込めているからです。IMFの見通しだと、世界全体は2010年の5.1%成長から2012年は3.3%成長まで鈍化しそうです。
◆長期化必至の欧州危機
まず欧州。債務金融危機からの出口がいっこうに見えてきません。引き金になったのはギリシャでしたが、その後も経済が立ち直らず、マイナス成長が続いています。
 債務を減らすために歳出カットや増税に踏み切ると、景気が冷え込み、それが企業や銀行の経営を直撃する悪循環に落ち込んでしまいました。失業率はいまや25%、若者に絞れば二人に一人以上が失業という最悪の状態です。
 IMFと欧州連合(EU)、欧州中央銀行(ECB)の「トロイカ」と呼ばれる三つの国際機関がギリシャへの支援を続けています。
 ところが「あまり厳しい緊縮策を求めると、経済が予想以上に崩壊する」(IMF)という懸念がある一方、ドイツからは「債務削減努力を後退させれば、ギリシャは信頼を失う」という原則論もあって支援側の姿勢が乱れてきました。
 金融市場では「ギリシャはユーロから脱退せざるをえない」という悲観論が消えていません。半面「ユーロは政治的な統合。欧州が面倒をみるしかない」という見方も根強く結局、問題解決はしばらく長引きそうです。
◆米国も中国も不透明に
 ギリシャだけでなくスペインも大変です。一時は長期国債の金利が危険水域に跳ね上がって「どうなるか」と心配されましたが、ECBが「無制限に短期国債を買い入れる」計画を発表してから小康状態を保っています。
 とはいえ、こちらも14年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比で2・8%にまで減らす目標の達成は難しそうです。欧州危機からは目を離せません。
 次に米国。六日に投票日を迎える大統領選は民主党のオバマ大統領と共和党のロムニー候補の大接戦になっています。勝敗の行方は予断を許しませんが、どちらが勝っても、年末までに待ったなしの対応を迫られる重要課題があります。それは「財政の崖」と呼ばれる大型の財政緊縮策をどうするのか、という問題です。
 ブッシュ前大統領が導入した減税策や給与税減税の失効、強制的な歳出削減メカニズムなど現行の制度をそのまま実施すると、自動的に六千億ドルもの緊縮策が発動してしまう。すべての緊縮策が実行されれば、一挙に景気後退に陥るのが確実視されています。いまでも8%前後の高い失業率が10%に迫りかねない。そこで「財政の崖」を回避するために超党派で議論が始まっていますが、大統領選の結果次第でどうなるか。
 そして中国。こちらは2008年のリーマン・ショックの後、四兆元(約五十兆円)に上る大型景気刺激策を実施して、世界経済を下支えしました。ところが、当時の刺激策がいまになって裏目に出てきました。刺激策が過剰設備投資を招いて生産が増えすぎる供給過剰経済に陥ったのです。その結果、卸売物価も下落しています。
 景気が伸び悩んでいるからといって、過剰設備を放置したまま、中国が再び大型刺激策に動く可能性は小さいとみたほうがよさそうです。
 欧米中に期待できないとなると、日本はどうすべきなのか。
 外需頼みではなく内需主導の経済へという掛け声は何年も前から叫ばれてきましたが、日本は外需主導を脱していません。最大の理由はデフレです。
 二十年近くも物価が下落し続け、上昇する見通しがないので、企業は設備投資を控えています。国内に投資してもモノが売れないからです。物価が下がるなら借金して投資するだけ損になる。家計も財布のひもを締める。
 だから最優先課題はデフレ脱却です。まず日銀は本腰を入れて金融を緩和しなければなりません。現在1%のインフレ目標は2%以上に引き上げるべきです。
◆国民生活が犠牲になる
 政府は財政政策をきちんと動かす必要がある。本予算の特例公債法案さえ成立させられないのに、形だけの景気対策とは支離滅裂と言っていい。このままでは「政治不況」が確実です。政権延命のために国民経済を犠牲にする事態だけは避けてもらわねば。
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