精華よもやま話   佐々木まさひこ議員のつぶやき

京都・精華町会議員佐々木まさひこのローカル日記

住民サービスのレベルはその自治体のレベル

2010年05月12日 08時59分14秒 | 各地・分野の動向
 昨日は、総務教育委員会が開かれ、2005年度から5年間取り組まれた精華町の改革ブログラムのまとめについて審査した。
 職員数は、指定管理制度に移行したため直営としては廃止された病院職員を除き、12人の減となっている。
 相変わらず、世間の公務員削減の声は強いかもしれないが、そろそろ限界だと思う。
 世間の方に「精華町の訂正人数は何人か?」と尋ねれば根拠を持って答えられる人は少ないだろう。他の自治体との比較が必ずしもすべてではないとは思うが、参考までに京都府下の比較数値を示すと   2年前の統計数値
  人口1000人当たりの職員数   6.97人 多い順に23位
  人口1000人当たりの人件費 4612万円  高い順に24位
    ちなみに京都府には指定市の京都市を除くと25市町村ある
 他にも比較数値はあるが、この間人口がかなりの勢いで急増してきたのは事実で、2000年と2005年の国勢調査の間での増加率は約30%で全国1位だった。人口が増えれば、当然ながら事務量も増える。さらに、みなさんもよく耳にする「地方分権」の流れは、国の事務を都道府県・市町村に、都道府県の事務を市町村にという方向で流れている。現場に近い市町村は、その先はないので自分たちで受けることになる。ますます仕事が増えるということだ。
 もちろん、その中の一部は民間企業や住民で組織されるNPOなどにお任せすることもあるのだが、すべてを任せきることはできずそれらとの連絡・調整などの仕事は残る。みなさんも経験していると思うが、違う組織・外部会社との意思疎通はなかなか困難なものだ。時には「自分でやった方が早いしイメージ通りにできる」といったこともある。しかし、職員数の増加はなかなか厳しいので、そうはならない。
 また、この間の退職者の中に、いわゆる団塊世代の定年退職以外に、定年前の退職、特に若年層の退職が発生したことにショックを受けている。今では「終身雇用」が崩れつつあるが、資本主義国で使われている「ヘッドハンティング・引き抜き」的な現象もあり得るのだ。確かに、公務員の身分は民間に比べると安定している。しかし、給与はさほど高くない。バブルの頃、民間企業の多くは、月給とボーナス併せて20か月分とか30か月分を支給しているところがあった。民間は儲けることが存在目的なので、儲かった分社員に還元できるしそれは自由だ。公務員の場合は、ボーナスが若干上がる程度で民間ほど上がりはしない。不況時には公務員は「いいなとあこがれ」になるが、好景気の時は見向きもされず景気のいい企業に目が向く。そもそも、存在理由が違うのだから当然だが、複眼的に見ることが必要だ。
 今は、全体的には景気悪いが、部分的には好景気でもある。もし、今の条件よりいい提示があれば、公務員を辞めて民間企業に移ることも十分考えられるのである。そういうことができるのは、(民間企業にとって)「優れた職員」でもある。
 この間、精華町の採用試験に志願する方の質が変化している。高校卒業もあるが、大半が大学卒業資格に移行している。しかも、中には有名大学出身者もいる。精華町に縁のない方も多々受験しているようだ。ある意味、本気で仕事をすれば「いい仕事」をしてくれるのだが、今のまま公務員攻撃を続ければ、このような職員が民間企業に「流出」することも十分あり得る。
 「どこを選ぼうが本人の自由だ」という意見もあるだろう。しかし、特に公務員は、そこの住民が育てているようなものだ。住民が一生懸命育てて精華町民のための仕事をしてくれと思っているのに、さっさと辞められれば住民サービスは低下する。
 「役場なんかなくてもいい」「福祉や医療の充実なんていらない」「自分で自己責任で生きていく」というご意見なら、役場や議会をもっと小さくすればいいということになる。しかし、「老後が心配」「いい教育をしてほしい」「地元経済にも貢献してほしい」との思いがある場合、役場や議会を小さくすることで実現できなくなる。
 要は、住民の願いのレベルによって、町や議会の仕事内容が決まるのだ。そのあたりも含めてよく考えて欲しい。
  

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