昨日19日、戦場カメラマンでもある西谷さんの講演会が、精華町内であった。
西谷さんは、この間のべ15回ほど、イラクやアフガニスタンへの入国に成功し、現地を取材するとともに、医薬品などの援助物資を届ける活動をしている。
現地は毎日のように砲弾が飛び交っている。また、「静かな兵器」として地雷がある。しかも、最近の地雷は、子どもたちが興味を持つように、サッカーボールやおもちゃの形をしているものもあるという。そのサッカーボール型の地雷を踏んで、両足を負傷・損壊した子どもたちも多い。
私が若かりし頃「戦争を知らない子どもたち」という歌が流行したが、イラクやアフガニスタンでは、生まれてからずっと「戦争状態」の地域で育っている子どもたちが大半だ。まさに「戦争しか知らない子どもたち」である。しかも、まともな教育を受ける環境にないので、タリバンにだまされたり、理性ではなく恨みつらみなどの感情に支配される行動が多くなる。「少年兵」が多く存在し、「自爆テロ」が頻発する原因でもある。
写真の上2枚は、アフガニスタンのこの間の歴史的経過である。
日本人の多くは、30年ほど前に当時のソ連軍が軍事侵攻をしたことと、2001年の9.11テロ以降のことしか知らないものだ。でも、しっかり歴史をひも解くと、もともとタリバンは、西側諸国がソ連に対抗するために作り、資金や武器も提供していたことが分かる。あのビン・ラディンも、もともとはアメリカが育てた。それを「テロリスト」扱いして、それを口実に、アフガニスタンやイラクで、多くの罪のない市民を虐殺している。兵士たちも戦死したり負傷している。
何事もそうだが、ものの経過を無視して、その瞬間の価値観だけで、「要・不要」だとか「多すぎる」という軽率な判断をする危険性がある。マスコミも事こまかには伝えない。
私たちは、自分の努力で真実を学習し、冷静で理性的な判断ができるよう、己を高め磨く必要がある。