酒田地震は、1894年(明治27年)10月22日17時35分に発生した庄内北部を震源とした地震で、酒田を中心に局地集中的に被害が出たことからそう言われている。観測体制が不備で、正確な記録に乏しくマグニチュードは7.0 最大震度5と記録されているが、被害状況から、最大震度は7くらいはあったのではとも言われている。余震も数多く住民の不安も相当なものだった様である。
酒田では、大火災が発生し総戸数の8割が焼失と記録にある。死者739人、負傷者8403人、破損家屋7863戸。この地震をきっかけに、木造建築の耐震性を問うこととなり、木造建築改良仕様書が発表されるのである。
わが家は、その翌年、明治28年に建てたと棟札に書いてある。現在も住んでいるのだから築111年現役と言う事になる。柱の太さは、大きいものは30センチ、その他は20センチ。筋交いがたくさん入っており、耐震性に充分気をつけた後が伺える。梁は、木の形をそのまま生かした、不正形で、釘も使わず組み立ててあり、しっかりしたものだ。
もっとも、雨戸や屋根は手をいれている。また居住区間は断熱材を使い快適性は現代的である。リフォームの際、レーザー光線で柱の傾きや、水平を調べたらほとんど狂っていないと、皆で驚いた。石の上に乗っかっているだけで100年以上も頑張ってる木造建築の素晴らしさに脱帽である。
明治の大工の腕前に敬服し、大事にこれからも住んで行こうと思う。