農林水産委員会の任期は1年。6日の委員会で40分にわたる、最後の質問をした。少しでも農政を改善できたのか、山形県農業を前進させる事が出来たのか、農業者として忸怩たる思いが残る。
農産物価格が下がり続け、米価は最高時の半分。苦しんでいる時に民主党はマニュフェストで戸別所得補償方式を打ち出した。多くの農家は一路の望みを託し投票、政権交代が実現した。それを見越した市場は、いっきに3千数百円の下落に転じ、一俵9000円の未曽有の低米価となった。農家は腰を抜かした。支持低落を恐れた民主党は、価格補てんを積み上げて、翌年度に下落分を上回る補てん金が入った。しかし、農家の信頼は一気に下がった。
農業の合理化を促進するため、集落営農組織を作らせ、補助金はそこに特化させた。農地、水、環境保全支払制度も始まった。農村集落を守る名目で、補助金をばらまいた。面倒な事務作業に集落はへきへきした。今度は、地域農業マスタープランを作れと言う。そうすれば、担い手に1年間150万円、7年間支給する政策が打ち出され、農地集積政策は、受け手にも、出し手にも助成金が支払われる。しかし、それは集落営農組織内ではダメで、他集落からの集積となる。今まで進めてきた営農集落を壊すか、合併するとかになる。農業も原子力交付金の様になってきた。
これら政策の影に、TPP戦略が透けて見える。震災報道を見るたびに、なぜ危険なその地に住み続けたいのか。農業の本質がそこにある。山間地に住み、農業を続ける生きがいを奪う政治であってはいけない。農産物を作り、大都会の消費者とつながる毛細血管は、細くともつながるっている所に意義がある。水際で農産物を守り、国内で産地を競い合う。いきいきした農家の顏が日本国の基であり農政である。
ふと庭先を見たら、バンケ(ふきのとう)が芽をだしていた。もう、農作業が忙しくなる季節になった。