とうやのひとり言

佐藤とうや ブログ

鮭の母川回帰

2012年03月20日 | インポート

003 今日、桝川鮭漁業生産組合の鮭放流式に行ってきた。大勢の子供たちや地元関係者で、ふ化場は華やいでいた。月光川水系の人工孵化の歴史は日本でも古く、江戸時代にその原形があったと伝えられている。鳥海山の豊富な湧水がその原点であり、神秘な鮭の母川回帰本能をたくみに活用した先人の知恵に、今更ながら驚かされる。
 産卵のために上ってきた鮭の卵を取り出し、人工的に孵化をさせ2㎝位の稚魚になったところで、その川に放して自然の生態に返してやる事業である。今年の放流は約1千万匹で、やがて川を下り日本海へと出る。成長しながら日本海を北上、ベーリング海でさらに大きくなり、4年後くらいに母川の月光川へと帰ってくる、壮大な鮭の一生のドラマだ。回帰率は0、3%前後で、生き延びる自然の厳しさが分かる。
 子供のころ鮭は方言で、「ヨー」と言い秋の高級魚として扱われ、祝儀や土洗いなどに欠かせないものだった。「しょんびき」とは塩サケの事で、焼くと塩が噴き出すような「しょっぱさ」で、今の塩鮭とはほど遠い感じだが、当時の保存食品として貴重なタンパク源だった。何でも、どっからでも、いつでも物があふれている飽食時代。いつまで続くのか考えさせられる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする