日本穀物検定協会は、毎年実施している食味ランキングで、16年産米の「はえぬき」を最高ランクの「特A」から一ランク下の「A」に格下げと公表した。魚沼産のコシヒカリが連続28年の「特A」。「はえぬき」はそれに次ぐ連続22年間「特A」を獲得していた。「はえぬき」の格下げは、米主産県山形の誇りが消し飛んだ山形県農家のショックは大きい。
食味ランキングは白飯の外観、香り、味、粘り、硬さ、総合評価の6項目で基準米のコシヒカリと比較して決められる。格下げの原因はこれから調査されることになるが、市場では昨年産米より高く評価され、価格は上がっていただけに、山形県産米の6割を作付ている農家に与える影響は大きい。
JA全農はコメ出荷時に簡易食味計で検査した食味値を農家に示している。玄米タンパクとアミロースを計測し、食味値75とか80とかと示されている。80になるのは難しいのだが、重粘土地帯は窒素成分が残りやすく、砂丘地帯は成熟期の窒素分が残らないので、砂丘地帯の食味値は高くなる。しかし、食べた旨さは重粘土地帯が美味しいと言われている。
日本食物検定協会の公表結果は大きい。今年産米は終わったが来年度以降、ましてや30年度問題を抱えた稲作農家の行く末にも大きな影を落とした。「特A」とは何か。腰を据えた対応が求められる。