とうやのひとり言

佐藤とうや ブログ

熊本城の復旧復元

2017年02月26日 | 日記

 国指定重要文化財である熊本城が、昨年4月に発生した熊本地震で受けた惨状の生々しさは、繰り返されたテレビ映像で脳裡に焼き付いている。その後、どうなっているのか視察した。
 城内ほとんどが立ち入り禁止になっていて、一周する見学路からの視察であったが、河田熊本城総合事務所所長の案内で、復旧計画と、その困難さを改めて知る事になった。一回目のM6.5の地震では石垣6箇所、重要文化財建造物10棟、復元建造物7棟程度だった。しかし、緩んでいた所に発生した2度目の本震がM7.3で決定的な破壊を生んでしまった。
 石垣の膨らみ・緩みが64箇所、崩壊が54箇所、地盤の陥没や地割れ70箇所。重要文化財建造物は倒壊2棟、一部倒壊3棟、屋根・壁破損など13棟が壊れた。復元建造物が20棟、管理施設26棟が破損している。どこから手をつけたらいいのか分からず、先ずは被害調査にあたったが、気の遠くなるようものだったと述懐していた。
 瓦は打音検査で使えるものか否か分ける。これに数十年はかかるとの専門家もいる。しかし、工事にかかってしまえば以外に早いとの見方もある。ただ、修理箇所の特定、材料の選定、工法の選択。大学の先生方の妥協のない議論に時間はかかる。
 青森県・弘前城の修復にかかわり、日本有数の曳家「我妻組」(山形県米沢市)の出番があるかも知れない。河田所長は「石垣の石、一個一個にナンバーを付け元に戻して、再建を目指している。早くても20年はかかるだろう。被害額も634億円と見ているが途方もないものだ」と肩を落としていた。
 熊本城の再建に向けた作業は始まっている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする