Nonsection Radical

撮影と本の空間

何を思うかは自由

2013年07月18日 | Weblog
原発と地震」新潟日報社 特別取材班著 講談社刊 を手に入れた。
どんな報道が当時されていたかを知るためだ。
2007年7月16日の中越沖地震で、東京電力柏崎刈羽原発で動いていた原子炉がすべて止まった「事故」に関する検証記事をまとめたもの。
福島原発の「事故」と混同するぐらい同じ事が語られ、同じ事を問題にし、同じ事を課題にしている。
中越沖地震では津波ではなく、原発直下の活断層でもなく、地震の揺れ「震度7」によって被害が発生した。
そして記事中では、被害は「想定外」の揺れによるものと記載され、出版された2009年当時でも「想定外」という言葉が使われていた事に驚く。
また、東京電力の対応も311と同様の問題のあるものであった事がわかる。
ちょうど現在と同様参議院選の真っ最中に「事故」の知らせを受けた安倍晋三首相(当時)が、ただちに原発を「視察」したというくだりには苦笑せざるを得ない。
政府も似たような対応であった。
宮城沖地震での女川原発の被害復旧や柏崎刈羽原発での復旧に約2年かかっているが、ちょうど311から2年の今年に原発再稼働申請の動きが出てきたのは、各地の原発の修理が完了した事との関連性もある気になる。

詳細は本を読んで各自が判断すればいい事だが、こういうまとまった文章が本として残っている事は貴重な記録である。
当時人々はどのように感じ、どのような動きをし、その結果現在はどのような対応の元に変わったかを知る事が出来る。
福島原発の「事故」の検証も、この先重要な資料となって、未来の人々に判断の資料として提供されるであろう。
そのときに人々は何をどう思うのだろうか。

津波や原発直下の活断層ばかり問題にしているが、肝心の地震の揺れに対して「想定外」であったと三たび言う事はないのか。



篠島 9 愛知県南知多町


小溝筋商店街 兵庫県姫路市
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