父が亡くなって1年
父は建具店を営んでいた。
私が小さい頃は、大工さんが家を建て、父のような建具屋がその中の戸などの建具を作り、取り付けをして一軒の家を建てるという工程が普通だったが、今は工務店さんが一切を取り仕切って家を建てているので父のような仕事は需要が減っていった。ちょうど年も取り店をたたむ時期とそのような仕事の流れが重なり、それプラスして体を悪くしたのも重なりちょっとした直しの仕事をたまに引き受ける程度の仕事の仕方が数年続いたのを記憶している。
父は、暇になった時間で茶箱を作り、親類やお世話になった方にもらっていただいていたのを覚えている。
私には、「俺の手の跡だ」と言っていた。その言葉だけは鮮明に覚えている。約20年ほど前のことだろうか。
父が亡くなり、木や道具などの整理をする中で何かを作ろうとしていた途中と思われる木工細工が見つかった。
正直、すごいと思った。こんなに器用だったとは、生きている間には気づかなかった。
写真のように額がついていたわけではなく、細工模様だけがつくってある状態のものを見つけたので、父の仕事仲間の方にお願いして額をつけていただいた。
職人気質の父でちょっと難しい人だったが、亡くなった今、こんな素敵なものを遺していってくれて私は嬉しい。ありがとう。
ご覧いただきありがとうございました
では、またね
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