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アトリエローゼンホルツさんでの宮沢賢治へのオマージュ展では
銅版画も展示しています。
対の作品になる「戯れ」です。
昔、三木成生さんの「海、呼吸、古代形象」を読んで
イメージが浮かんで仕上げたものです。
ドライポイントは、銅の板を鉄の筆で引っかき
その線にインクを詰めて刷る版画です。
わたしのドライポイントはすこし特殊で
版に鉄筆で細かく線を重ねた線描画を
試し刷りしては引っかいてを10回ほど繰り返します。
すると表面にふわっと柔らかい絵が仕上がって来ます。
イギリスのミニプリント展に出品させて頂いたとき
たぶんその技法の珍しさと仕上がりの美しさから
選抜作家として展示して頂きました。
その時に追加でお送りさせて頂いたのが
この2点です。
この技法では大きなサイズの版画で
完成度の高い仕上がりを保つのは難しく
これがぎりぎりのサイズかな・・と思われます。
銅版画の長い歴史と
熟練の技術を持つ作家が多いヨーロッパ、
そのプリント公募団体の主催は
日本よりも版画の技術に敏感で
2年かけてイギリスのいくつかの島を巡回する
素晴らしい団体でした。
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