新潟のラーメン界は、新旧どちらもすごい。伝統的な新潟の黄金色あっさり煮干し醤油ラーメンとは別に、若きラーメン職人たちが次々に台頭しており、ラーメン王国の名にふさわしい快進撃を見せている。
その中で気になったのが、「GOIN GOIN」というお店と、その関連店。特に新潟駅近くの「なんばん屋」のラーメンは独創的っぽくて行ってみたくなった。が・・・
地図に従ってその場所に行っても、ない!
その代わりと言ってはなんだが、新しいお店が開業していた。それが「たまり家」。居抜きで、店内の雰囲気はラーメン本の写真と酷似していた。今年の7月にオープンしたばかりの新潟最新ラーメン店のようだ。店主さんはまだ若く、勢いがありそう。聞くところによると、どうやら店主は武蔵で修行した人の下でラーメン作りを学んだのだそうだ。東京のnew wave系の影響をチラホラ感じつつも、新潟の駅近くで新たな風を呼び起こそうとしている。
このお店は、新潟では珍しい海老ラーメン専門のお店で、さらに昼はラーメン、夜はダイニングという昼夜二毛作系のラーメン店なのだ。まさにnew wave系にふさわしいお店といえるだろう。
今回は、ラーメンとつけ麺を注文!
ラーメンは、写真を見ても分かるように、茶色くて、白濁したスープのまわりに海老油がのっている。これが海老の味となっている。スープは濃厚で、動物系スープが強いことが分かる。さらに和風ダシも使っている感じで、重層的な味わいがした。このところシンプルなラーメンが続いていただけに、ちょっとほっとするような(new wave世代なもので・・・)。
トッピングも、new waveらしく、どれも凝っていた。特に味付け玉子の味がなんともいえない味わいで、酒粕かなんかに漬けた味がした。ただの味付け玉子じゃなさそうだ。チャーシューも、やはり抜群で、いい部位の肉を使っているのかな、と。メンマは、他とそんなに変わらないような。新潟のメンマはどこも抜群の食感だ。
つけ麺は、ラーメンとうって変わって、さっぱりとした温かい和風のゴマつけスープで、また全然違ったベクトルを向いていた。スープの温度が若干低いのが気になった。味はとにかくゴマ~、open sesami!って感じでした。そばタレのような感じの和風ダシで、クセがなくて、女性に受けそうな味わいだった。麺も、こちらでは珍しい太い平打ち麺。
こちらのチャーシューは、炭火焼をしたようなジューシーなお肉だった。焼肉っぽい感じで、ご飯が欲しくなった。おいしすぎる焼きチャーシューと言っていいかな。
さらに、別皿でシソの薬味がついていた。シソをスープに入れると、また味が変わり、味に立体感が生まれる。Wテイスト系と言っちゃおうか。
全体的にこ洒落たお店で、女性客も多かった。トレンディーな音楽が結構大きい音でかかっていて、老舗店にはない新しい要素が存分に散りばめられていた。こういうお店も、新潟にはたくさんあるんだろうな。若手もガンガン出てきているし、今後の新潟ラーメン文化はどうなっていくのかな。老舗の名店の味と新しい風を呼ぶnew wave系の味、この戦いは是非注目したいところだ。地方のラーメン文化は今後どうなっていくのか。
エビ拉麺酒場 たまり家
新潟市中央区米山2-2-9
025-247-6830