Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

[8.23新聞記事訳]1歳の女児を赤ちゃんポストに預け、一家無理心中事件@ベルリン

アガペーの家に訪問した際、偶然にも、その日の新聞に赤ちゃんポストについて触れた記事を見つけた。「この記事、信じられない!」とつぶやいていた。その記事は、こんな内容だった。まさにドイツに赤ちゃんポストが根付いていることを証明する記事であった。しかし、それにしても、今、ドイツで家族の無理心中が続発しているとは… 今年の8月だけで、13人の子どもが家族内で殺されているというのだから…。

以下、記事の全訳です!(8月23日の記事なので、かなり最新の記事です。かなり速攻で訳したので、変な個所もあるかも。その辺はご勘弁願います)


 

ZEITUNG:Lübecker Nachrichten, 23.August 2012

Familien-Tragödie hinter heiler Fassade.
穢れなき顔の背後に潜む家族の悲劇

またもやショッキング家族の惨劇だ。この一週間で3度目。ベルリンの閑静な住宅街のガトウ(Gatow)で、男性が妻と二人の息子を殺して、自害する。(ユリアン・ミース)

ベルリン:消防隊がベルリンの住宅街ガトウの住居のドアをこじ開けてその中に入った時、惨劇の図絵が消防隊員の目を襲った。木曜日の夕方、二人の子どもと両親が、3階のアパートの部屋に死んで倒れていた。遺体は、夏の暑さもあって、かなり腐敗していた。すぐに明らかになった。どうやら69歳の高齢の父が、妻と子どもたちを殺害したようだ。そして、その後、ビニール袋で首を吊って自害した。彼は、ほぼ1歳になる娘だけは殺さなかった。なぜ? 今のところは謎である。

捜査官は遺書(別れの手紙:Abschiedsbrief)を見つけた。産業カウンセラーだった彼は、金銭問題について書いていた。彼は、この殺害行為のいきさつを時系列的に並べて書いている。翌朝、この男は自分の問題が原因で、28歳の妻、ならびに3歳、6歳の息子二人を殺害したということが、近所の住民たちには信じられなかった。「人が別の人間の命をそう簡単に決めるなんて、僕には全くもって理解できない」、と近所の男はこわばった目で語る。

「良き市民のよう(Gutbürgerlich)」、この(事件のあった)ベルリンの西部の都市部の地域をそう書いている。多くの土地が、ハーフェル川沿いに広がっており、そこはボートの船着き場として自由に利用できる。そこには、優雅な家族の家もある。そこで、この家族の惨劇が起こったのだった。およそ7年間、この男と、彼より40歳以上若い妻がそこに暮らしていた。知人の話によれば、この三人の子の母親は、かつて彼の秘書として働いていたそうだ。

なぜ悲劇が起こったのかという問いについては、近隣の人たちも分からない。「先週、この家族の人たちは庭で一番上の子の小学校入学を祝って、パーティーをしていた」、と、川辺沿いの近隣のある高齢の男が話していた。「その時、その長男の子はトランポリンで飛び跳ねていた」。この近所の住民は、この家族たちの問題について何も気づかなかった。「前に一度、奥さんが、夫の悪い注文状況(一束の注文書?Auftragslage)について追及していた。でも、それくらいしかない」、と、向かいの家に住む41歳の近所の住人は言う。「よく、庭で、私たちの子どもたちについて話していたわ。心配事については、彼女は一度も話していなかった」。木曜日、近隣アラームが作動した。いつもと違って、家族全員が全く外で目撃されなかったからだ。消防局の隊員と救急車が出動した。救助隊が数分遅れて現地に到着した時には、既に警察が現場に駆けつけていた。だが、彼らには、この一家を救助するチャンスはなかった。

多くの近隣の住民たちが、この若いお母さんと土曜日にまた会えることを望んでいた。「私たち、水曜日に長期休暇(ウアラウプ)から戻ってきたんです。その時、彼女も出かけたいって言っていました」、と41歳の女性は話す。「私たちはちょっと挨拶をしただけでした。その時は、本当にいつもと同じ様子でした」。日曜日、ベルリンでは太陽が燦々と照っていた。最高気温を記録していた。多くの住民たちが、この日、涼しいハーフェル川の岸辺に座っていた。ただ、この家族だけはいなかった。「ちょっとおかしいと思ったんです。だって、こういう暑い日は必ず、いつもみんなこの川沿いに来ていましたからね」、と38歳の男は言う。「でも、それ以上のことは考えませんでした」。

まさにこの時、悲劇が始まった。月曜日の夜、父親は1歳の小さな娘を赤ちゃんポスト(Babyklappe)に預けた。その直前か、その直後に、この69歳の父親は、妻と二人の息子を絞殺したと思われる。「その少し前に、この男に妻は薬で気絶させていたように思われる」、と捜査官たちは推測している。

月曜日の午後にはまだ、近所の人たちにその産業カウンセラーの男性は目撃されている。その時既に、子どもたちと母親の死後、数時間が経過している。「私は、自分が仕事に行く14時ごろ、彼に挨拶をしました」、41歳の向かいの家の女性は言う。彼女が、彼を見た最後の人物である。「彼は張りつめた様子でした。が、だいたいいつも彼は張りつめた感じでした」。警察の発表によれば、その後、夜分遅くに自殺したという。死体解剖によって、すぐに正確な死亡時刻が判明するだろう。

ほとんどの住民たちは、このホラーに近い知らせを水曜日の朝になって初めて聞かされたという。ノアの洪水のような土砂降りだったため、その前日の夜、住民たちは、消防隊員たちの緊急出動もドアをこじ開ける音も聞こえなかったという。隣の住宅の何人かの高齢の女性たちは、取り乱しながら通りに立っていた。ある年金受給者は泣いていた。「どうして、あの人たちは自分たちの悩みを私たちに打ち明けてくれなかったんでしょうかね。助けられたかもしれないのに…」

その間に、警察は、ノイス(Neuss)から来た35歳の男の行方をヨーロッパ中で捜索している。この男は、自分の妻と、4歳になる息子と、8歳になる娘を銃殺したとされている。三人の殺害容疑の拘留状により、警察はこの銃器をもつとされる男を追っている。「彼がどこにいるのか、われわれには分からない」、と警察当局は昨日発表した。火曜日、警察は、この指名手配犯の男の顔を公表した。これまで、50ほどの情報が寄せられているそうだ。しかし、まだ有力な手がかりは得られていない。銃器もまだ見つかっていない。

キーワード:拡大自殺(Erweiterter Suizid)

拡大自殺について、法律家や心理学者たちは、次のように把握している。拡大自殺者は、自分自身のみならず、その人間に近い存在である人々をも殺すが、相手の同意のない無理心中(Doppelselbstmord)とは異なっている、と。たびたび、この自殺者によって一家全員が消されている。自分自身を殺すことに失敗したり、(家族を殺した後に)自殺に踏み切れなかったりすると、殺害容疑や殺人容疑で有罪判決が下されることになる。これまでの研究成果によれば、女性よりも男性の方が、そうした行為に至る、とされている。

拡大自害、あるいは拡大自殺の概念は、ただし、何人かの専門家たちによって、あまり危害性がないということで否定されている。彼らは、たいていの場合、後に拡大自殺の行為者の自殺を伴う殺害や殺人が問題となっており、こうした現象はこの概念でははっきりと示されない、と指摘する。

全体として、殺された子どもの数は、この15年で減少してきている。同様に、ニーダーザクセン州の犯罪学研究所の統計によれば、赤ちゃんへの殺害行為(Tötungsdelikte)の総数は、1995年には111人であったが、2011年は59人と、減ってきている。

2011年の犯罪統計では、14件の殺害行為があり、6歳から14歳までの子どもたちだった。1995年には、まだ61人もの子どもが殺されていた。ただし、この2012年8月だけで、既に13人の子どもが家族の悲劇によって命を落としている。

殺害行為として、殺害、故殺、身体暴力、性的虐待、死に至る暴力を、上記の研究所は挙げている。


以下、考察

wait!

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