(考察その②はコチラ)
1992年に放映された深夜ドキュメンタリー番組「NONFIX・コインの魔力777」。
この番組では、平成3年当時の連チャン3号機を中心としたパチスロブームに焦点を当てていた。
以前、この「コインの魔力777」の動画がヨウツベにアップされたが、残念ながらすべて削除されてしまった。20年前のパチスロシーンを確認できる貴重な資料の喪失は、誠に残念である。
そこで、私が覚えている限りの番組内容を、今回「レビュー」という形で振り返ってみたい。
まず冒頭部分では、あるパチンコ店(東京・羽田)の新装開店の光景が映されていたが、この店は大森のパーラー「ニューポート」と思われる。現在は「京浜ホール」として営業を続けているはずだ。開店と同時に、先頭の客が猛然と駆け込んでいく先は3号機「アラジンⅡ」のシマだが、これがノーマルか裏モノだったかは、現在では知る由もない。アラジンⅡ以外に、スーパーバニーガールの設置も確認できる。
アラジンⅡ(サミー、3-1号機)
次いで、東京・下町(小岩)のスロット専門店の新装オープンの模様が出てくるが、この店はJR小岩駅近くの「ビッグスター」というスロ屋のようである。その後、残念ながら潰れてしまった模様で、その跡地では現在、1軒の中華料理店が営業している。この店で登場する3号機「アメリカーナマグナム」と「コンチネンタル1」は、ともに連チャン機として有名であった(アメマグはノーマルも出回っていたが)。動画中でも、短時間の新装にもかかわらずドル箱を積み上げている客がいるので、Bモノであったことはほぼ間違いないだろう。もっとも、インタビューを受けていた女連れの若者は「呑みに行く金もない…」とボヤクほどコンチで負けていたので、吸い込みは相当キツかった筈だ。
コンチネンタルⅠ(瑞穂、3-1号機)
続いて番組タイトルのシーン、オリンピアの2号機「バニーガール」で777を揃え、嬉々としてどこかへ走る去るおばちゃんが登場する。まぁ、当時はどの店にもこんな「香ばしい」輩がいたものだと懐かしく思える。
因みに、オバちゃんがバニーガールを打っているホールは、動画の続編から推測するに東京・練馬の「スロット成増会館」ではないかと思われる。設置台は結構多いのだが、機種はバニーガールとリノ(ニイガタ電子)の2種類のみ。以前のホールでは、このようにパチスロの設置機種が1、2種類と少ないのが当たり前だった。
さて、次に登場するのは、瑞穂の人気3号機「コンチネンタルⅠ」の朝一モーニングの模様である。画面に映し出されるコンチ設置店は、東京・神楽坂の「スロットルおおとり」というパチスロ専門店である。
この店が登場した理由であるが、これは、当時のCX局が新宿の牛込河田町にあった事と、大いに関係があるだろう。河田町の旧CX本社から「スロットルおおとり」までは、車で10分ほどの至近距離であり、取材には打ってつけの店であった。また、その場面でコンチのモーニングを華麗に奪取したパチスロ雑誌編集者(ス〇マガのU山氏)の勤務先「プラ〇トピア」から近い事も、「おおとり」が撮影地に選ばれた大きな理由であると思われる。
しかし、30台近くあるコンチの中からピンポイントでモーニング台を引き当てる辺り、若干脚色の匂いがしないわけでもないが・・・まぁ、これはうがった見方であろう(反省)。ちなみに、この「おおとり」はその後閉店して、現在は大手パチンコチェーン店「ゴー〇ン神楽坂店」に様変わりしている。
モーニングの実践後、U氏にマイクが向けられるシーンで、彼が「あそこのコンチネンタルは、あんまり連チャンしないんですよ」と発言していたが、これが当時の状況を如実に示している。すなわち、この年(1991年)の10月に、コンチの違法な連チャンプログラムが当局に摘発されたため、元のノーマル基板に戻す店が続出していたのである。もちろん、改修騒ぎが一段落すると、元の連チャン基板に戻す店も多発したのだが…。
とまぁ、駆け足で全体を振り返ってみたが、このドキュメンタリーでは、懐かしい2号機・3号機の各機種が続けざまに登場し、郷愁に駆られることしきりであった。コンチ、アラⅡ、リノといった当時の連チャン機の勢いが、画面から伝わってくるようであった。
今回振り返った動画は、ヨウツベに5分割でアップされた内の「Part1」であり、これ以外にPart5までの続編が存在した。かなり記憶が飛んでいるが、覚えている分については、折をみて逐一紹介していきたい。