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(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

北電子「アポロン」考(5連アポロンとは)

2012-04-01 05:12:36 | パチスロ3号機

今回は、北電子3-2号機「アポロン」について、少々書いてみたい。

 

「アポロン」といえば、当時は、ビッグボーナスが5連チャンする「5連Ver」が有名だった。

 

(白パネル…某Nチェーン定番の色だった)

 

かつてのマイホ・西武新宿駅周辺では、大手「N」チェーンが、この5連アポロンを置いていた。近くの「ニューミヤコ」にもアポロンはあったが、いつも満席で打てなかった記憶がある。

 

N店では、アポロン導入直後から5連チャンが話題となった。ワンチャンスで1700枚ものコインが獲得できるとあって、かなりの人気だった事を覚えている。

 

新宿Nチェーンでは、中央に青いシールが貼られたオリジナルコインを使っており、これを連チャン時にドル箱カチ盛りにするのが楽しかった。ただ、ハマリも相当深く、他人がハマった後を狙う「ハイエナ」が次第に流行する。

 

(新宿N拓2号店のアポロンを打っていた頃のコイン…記憶を元に再現)

 

温厚そうな年配客が投資している様子をシマの隅から観察し、ヤメた後釜を狙う。正直、心が痛む立ち回りだったが、確実に勝てる方法なので仕方なかった。それでも、連チャンまでに長時間を費やすこともあり、不安と闘いながら打ち続けた事も多い。

 

データランプも少ない時代、こまめなシマ挙動のチェックが不可欠だった。割と大雑把な立ち回りの私も、ことアポロンになると、時には店をハシゴして必死にオイシイ台を探し回っていた。

 

ハマると5連以上が発生する裏アポロンの挙動は、実戦でほぼ掴んでいた。ただ、具体的な連チャンシステムが攻略誌に出た時期は、実はそれ程早くはない。

 

そもそも、アポロンがホールに登場し始めたのは、1991年(平成3年)の初頭である。

 

某・有名レトロ台サイトでは、アポロンの登場時期を「1992年1月」としているが、不正確だ。当時、「パチンコファン」1991年1月号、「パチンコ必勝ガイド」1991年2月号などで、既にアポロンは新台として紹介済みである。なお、保通協の認可時期は1990年10月25日。

 

初期アポロンは、波は荒めだが、連チャンはBR混合のマイルドなもので、むしろノーマル機と考える方が自然だった。当時、向ヶ丘遊園駅の「ぱちんこ遊園」や、南武線・宿河原駅の「小松ホール」で打ったアポロンは、幾ら追ってもノーマルの挙動しか示さなかった。

 

ところが、1991年暮れ~1992年初頭になると、新台導入されたアポロンに「異変」が生じる。通常時のハマリが深い代わりに、一度出始めるとビッグが5回ワンセットで連チャンする…こんな怪しい台が、「N」チェーンを中心に導入され始めた。

 

当然、攻略誌には連チャンに関する情報が多く寄せられたが、連チャンシステムの解明までには時間が掛かった。5連アポロンの基板・実機の入手に、各誌が苦労した事が窺われる。また、アポロンは毎プレイRAMクリアされるタイプの為、注射が不可能と思われた事も大きい。

 

その間、打ち手の我々は、怪しい裏アポロンの正確な中身を知る事なく、いわば得体のしれない「ブラックボックス」にコインを入れ続けていた。唯一の拠り所は、「大きくハマれば5連以上する」という、ホールで体感した事象のみであった。

 

因みに、5連アポロンとメーカーの関係については、当時の「パチスロファン」誌がメーカーサイドに取材を行っている。メーカーは、連チャン疑惑とは全く関係がない旨を回答。また、「ファン」誌も、「メーカーサイドの改造というよりは、別回路の裏ビジネスとして生まれたゲーム性といえる」と結論付けている。まぁ、この辺りの事情は、今更突っ込んでも意味がない事であろう。

 

そんな中、1992年5月22日発売の「パチスロ必勝ガイド」6月号で、ノーマルアポロンの解析結果がようやく掲載される。既に、設置開始から一年以上が経過し、裏アポロン登場からも、かなりの間が空いていた。

 

しかし、この時点ではノーマル解析値とホールでの5連チャンが全く結びつかず、肝心の連チャンシステムについては、130時間の実戦結果に基づく「仮説」の紹介に留まった。

 

その「仮説」だが、ハマリと連チャンを繰り返すアポロンには、コイン投入枚数による「連チャン発生ゾーン」があると仮定。朝一から7~9000枚、或いは16~20000枚のコイン投入により連チャンが発生するのではないか、と推測した。

 

いわば、「吸い込み連チャン」的なシステムを探った訳である。この仮定に基けば、稼働の良いホールでは、連チャンし易い時間帯を狙って立ち回る事も可能と紹介。ただ、「貯金」というキーワードは、まだ登場していない。

「パチスロ必勝ガイド」1992年6月号

 

目次より⇒「今一番の話題機種アポロンを攻略」/表アポロン解析ーこのプログラムじゃ当然あの連チャンは…/裏アポロンーホール関係者が明かすその存在!130Hデータから攻略の糸口を探る!)

 

同時期に発売された文庫本「パチスロで勝つ!!No.3」(白夜書房ビジュアル文庫、1992年4月発行)にも、連チャンアポロンの記事が掲載。やはり、コイン投入枚数が連チャンの鍵、とある。

 

 

さらに、1992年6月22日発売の「パチスロ必勝ガイド」7月号でも、アポロンの連チャンシステムは解明されなかった。 連チャンアポロンに関する重要な部品が手に入らず、解析が間に合わなかった、との説明がある。

 

この号でも、結局は実戦報告がメインとなった。終日打ち続けた結果「ハマリ⇒5連」を繰り返し、予定枚数のコイン投入、或いは特定の時間帯突入で連チャンする可能性が高い、と推測している。また、朝一からの連チャンも確認、前日からのコイン投入枚数がリセットされない可能性も示唆している。

 

また、例の新宿「N」チェーン」において、アポロンの「爆発予想台」ボードを店頭に毎朝張り出している事を紹介。実際、このボードの信頼度は高く、朝の台取り合戦が連日展開されていた。西武新宿駅前・エビ通りのN系列「B-P」店に、予想台目当てで並んだ人もいるだろう。

 

「パチスロ必勝ガイド」1992年7月号

 

目次より…「史上初『「時間で出るパチスロ』と紹介。「貯金」システムへの言及はないが、3日間39時間打ちっ放しのホールデータは、今や貴重な資料である。

 

結局、5連アポロンの正体が判明したのは、1992年7月22日発売の「パチスロ必勝ガイド」8月号であった。実に、私が新宿で裏アポロンと対峙してから、半年以上も後だ。大抵のプレイヤーは5連アポロンの中身を実戦で把握していたが、詳細なシステムが解明された事は、かなりの衝撃だった。

 

この5連アポロンには、メイン基板の裏側に別基板が隠れており、いわゆる「二枚基板」構造になっている事が発覚した(同誌は、このカラクリを「忍者屋敷」と表現)。裏基板は、メイン基板並みに複雑な仕上がりで、連チャンプログラムもバッチリ組み込まれていた。初期ノーマルアポロンには、当然裏基板は付いていなかった訳だ。

 

(同号掲載の「アポロン5連Ver」貯金・放出フローチャート)

 

上記フローチャートをまとめると、以下のようになる。

(1)内部ビッグフラグ(初当り)当選後は、かならず貯金判定に進む。

(2)貯金3個以下では、ほぼ貯金が確定。但し、1/128の抽選に当ると、単発ビッグ発生。

(3)貯金が4~6個なら、3/4の抽選に当れば連チャンがスタート。1/4で貯金に回る。

(4)貯金が7つ貯まると、次の内部ビッグ当選時は必ず放出が始まる。

(5)ビッグ放出は5連チャンが最も多く、最大で8連チャンまで伸びる。

(6)システム上、連チャンが4連以下になる事はほとんどない。

 

なお、内部ビッグは、ほぼノーマルの確率通りに抽選されていた。ビッグフラグが5つ貯まるまでのプレイ数は、確率の上では設定6で1122P、設定1で1575Pとなる。オバケ(コウモリ)にも大きな設定差があったので(設定6…1/178、設定1…1/381)、低設定台での貯金0スタートは、連チャンまでに4~5万かかる事もザラだった。で、連チャンが5連きっかりだと、7枚交換で2万5千のリターン。いかに「ハイエナ」が有効だったか判るだろう。

 

上のフローチャートを見ると、ハマリ時の単発ビッグの発生割合が、極めて低い事が判る。新宿で導入間もない裏アポロンを打っている時も、ほとんど単発が出なかった事を覚えている。ひたすら中ハマリ&バケを繰り返し、苦労して引いたビッグは、ほぼ連チャン確定だった。単発ビッグは、一日のうちに3,4回程度と非常に少なかった筈だ。

 

なお、5連アポロンを解析した某サイトでは、ビッグ内部成立時の1/3で普通にビッグが揃う、と解説している。恐らく、このVerは同じ5連アポロンでも「後期型」ではないだろうか。少なくとも、初期の5連アポロンにおいて、そこまで単発は多発しなかった筈だ。

 

ご存じの通り、92年4月~6月にかけて、パチスロの大規模な裏モノ対策として、基板改修及び再封印作業が、首都圏を中心に開始された。その結果、新宿「N」チェーンの5連アポロンも、一旦はノーマルに戻される。ただ、その後、再び連チャンが復活した店もあり、その時期に打ったアポロンは、妙に単発ビッグが増えた印象がある。某サイトで解析された5連アポロンは、基板改修後のモノではないかと思うが…。

 

余談だが、同時期、連チャンにバケが絡んで、「ビッグ4連」となるケースにも度々遭遇した。あれも、改修後の別基板なのだろうか?もしかすると、自力での速攻単発4連+バケみたいな展開だったのかもしれない。

 

なお、アポロンの裏モノには、5連以外にも様々なVerが存在した。ビッグ上乗せVer、5連⇒5連即突入Ver、BR混合型状態Verなど…。しかし、私にとってのアポロンは、やはり分かり易い「初期5連Ver」が一番である。

 

という訳で、1990年代前半のアポロン漬けの日々を、久々に思い出す事が出来た。当時はこういった香ばしいスロが、どのパチ屋にも普通に転がっていた。連チャン3号機の「甘い誘惑」に誘われ、一体どれ程のバイト料をつぎ込んだ事か。まぁ、連チャンしないノーマル機でも、ホールで触っているだけで幸せなスロキチだったけれど…。今となっては、全てが懐かしい思い出だ。