まにあっく懐パチ・懐スロ

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(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

シャトル21(藤商事、アレンジボール)

2012-04-26 02:32:53 | アレパチ、電役、普通機

※西の巨匠、引用ありがとう(笑)

 

「シャトル21」(藤商事、アレンジボール、1987年登場)

「アレパチ」という用語を使わないのは、「アレパチ(R)」を商標登録したタイヨーエレックに敬意を表しての事である(登録第4496646号商標、2000年3月出願)。

因みに、ハンドル奥(精算ボタン横)にも「ARRANGE BALL」のロゴがある。

 

「アレンジボール」という、特異な名称。そして、この独特な盤面。

今のパチンコファンには、これでどうやって遊ぶのか、ピンと来ないかも知れない。

簡単に言えば、中央のクルーンに玉を入れて、右のデジタルを回して大当りさせ、後は右打ちで消化すればOKである。

但し、基本的なゲーム性はやや複雑な為、少々解説を加えたい。

 

盤面左上には、1~16の数字がランダムに書かれたナンバーランプが、タテヨコ4列に並んでいる。左2列はオレンジ、右2列は緑に色分けされており、両者は別のグループに属する。

 

一方、盤面下には1~16の「入賞ポケット」がある。このポケットに入球する毎に、対応する左上のナンバーランプが点灯して行く仕組みだ。

1~16の入賞ポケットの上には、ズラッと釘が打たれている。どのポケットに入賞するかは、ストローク、釘、そして運次第である。ゲージ構成上、特定の番号に入りにくい作りになっている。

なお、「2,4,6,8」と書かれたアタッカーと、両サイドの「GO」チャッカーは、主に大当り中に活躍する(後述)。

 

アレンジボールでは、1ゲームで16発の玉を打つ事が出来る。シャトルの場合、16発打って、同色枠のランプが4個繋がると、ポイント1点獲得となる。

縦一列に「14、4、12、6」と点く場合はもちろん、「12-6-10-8」「11-5-13-3」のような点灯パターンでもOK。とにかく、同色に属するナンバーランプが4つ繋がっていれば良い。

また、数字が5個繋がった場合は2ポイント、6個繋がると3ポイント、7個繋がると4ポイントという具合に、ポイントは増えていく。

さらに、数字が8個繋がった状態、すなわち同色枠のナンバーランプが全点灯すると、一気に10ポイント獲得となる。

(緑枠のナンバーランプが全点灯で、10ポイント獲得。当然、左サイドの赤枠でもOKだが、達成は難しい。)

 

ナンバーランプ点灯で獲得したポイントは、盤面右上の「スコア」に表示される。1ポイントなら「1」、2ポイントなら「2」が表示される訳だ。なお、スコアに「9」が表示される事はない

10ポイント獲得時は、画像のように「F」が表示される。そして、スコアの数字×16発が、賞球として払い出される。「F」の場合は、10×16で賞球は160発となる。

ナンバーランプの点灯パターンによっては、単純計算では10ポイント以上になる場合もある。しかし、本機では、10ポイント(「F」)以上のスコアは存在しない。よって、16個すべてのナンバーランプが付いても、やはり160発が払い出される。

1ゲームで合計16発の玉を打つと、ゲームオーバーで一旦リセットとなり、点灯していたナンバーランプは全て消える。賞球が払い出されるのも、この時である。

なお、天穴に入賞すると、16番のナンバーランプが点灯し、同時に「2倍」の権利も獲得する(盤面左上の「2倍」ランプが点灯)。獲得したポイントが2倍になる、お得なチャッカーだ。

 

次に、盤面中央に目を移してみよう。

中央には、スーパーコンビ型の3つ穴クルーンが存在する。奥側二つの穴がデジタルのスタートチャッカーで、ここに入賞すると、盤面右の7セグデジタルが回転する。

一方、手前の穴はハズレになっており、コンビとは逆の作りである。

なお、3つ穴の間には、「仕切り」のような突起があり(画像参照)、クルーンに入った玉は、さほど回転せずに(1回転ほどで)、いずれかの穴に落ちる。スーパーコンビのように、3周、4周…とクルクル回り続ける事はない。意外と気づきにくいポイントだ。

 

こちらが、盤面右側の7セグデジタル。一見3ケタデジタルに見えるが、メインデジタルは左右でワンセットになっており、中デジタルは独立している。

クルーン奥のスタート穴に玉が入ると、左右デジタルが回転。「33」「77」が出れば大当りとなる。デジタルの大当り確率は、1/60.5

なお、中デジタルは、アタッカー脇の「GO」チャッカー通過で回転する。ここに「3」か「7」が出ると、アタッカーが0,1秒開放する。通常時は一瞬しか開放しないので、あまりアタッカーへの入賞は期待出来ない。

 

ハンドル奥の精算ボタン(プッシュボタン)。アレンジボールには「1ゲームにつき最大16発の玉を打つ」という決まりがあるが、精算ボタンを押せばゲーム途中での強制終了が可能。

ゲーム序盤で10ポイントを稼いだ時などは、早めにそのゲームを終わらせれば、時間短縮と玉の節約になる。

なお、精算ボタンを押してから、次のゲームがスタートするまでには、数秒のタイムラグがある。このタイムラグの間は、たとえスタートチャッカーに玉が入っても、デジタルは回転しない。この特性を利用して、大当りの「パンク」を回避する事が出来た。

本機のパンクとは、クルーンに連続して玉が入った場合に、デジタルが揃った直後に再び回ってしまう不測の事態をいう。普通のデジパチではまず考えられないが、大当り機能が付いた当時のアレンジ(フィーバー)タイプでは、しばしばこのような現象が起こったのだ。

パンクさせない為には、止打ちを駆使してクルーンに複数の玉を入れない事が大切である。だが、それでも複数入ってしまった場合は、デジタルに全神経を集中させる。そして、「33」「77」と来た瞬間に精算ボタンを押せば、追加玉がチャッカーに入っていても、パンクは回避出来る。

但し、連続入賞のタイミング次第では、大当りしたと思ったら、あっという間にデジタルが回ってしまう事もある。こうしたケースでは、反射神経が良くなければパンクの憂き目に遭う。

なお、クルーン奥の穴から、玉を感知するセンサーまでは、意外に距離がある。したがって、穴に入ってからデジタルがスタートするまでのタイムラグも、頭に入れておく必要がある。

 

さて、今度は盤面右側に目を移すと…

左右のデジタルに「77」「33」が出れば、見事大当りである。これで、打ち止めの権利を獲得したも同然だ。パンクしないように、すぐに右打ちに切り替える。

右打ち時、アタッカー脇の「GO」チャッカーを玉が通過すると、中デジタルが回転する。中デジには「3,5,7」の3種類があり、「33」で大当りした場合は「3」が、「77」で大当りした場合は「7」が中デジに出ると、下段アタッカーが3秒開放。

すなわち、デジタルが「333」「777」となった場合に、アタッカーが3秒開く訳だ。

通常時は0.1秒しか開かない「意地悪」なアタッカーも、大当り中は、一転して玉を拾い易くなる。左右のデジタルが「33」「77」から動かない限り、このチャンス状態は延々と続く。

 

アタッカ-に入賞すると、緑枠のナンバーランプの「2,4,6,8」が点灯する。一発台調整のホールでは、残りのナンバーランプ「10、12、14、16」は右打ちで簡単に点灯する。こうして、毎ゲーム「F」を獲得して160発づつ出玉を稼いでいく。

 

その後は、店が決めた予定終了数(4000個打ち止め、5000個打ち止めなど、様々なルールがあった)まで、玉をザンザカ出し続ける。「33」と「77」で打ち止め個数が異なるホールもあったようだ。

なお、盤面右サイドからクルーンに入るような調整だと、大当り中もデジタルが回ってパンクする危険がある。保証付きの店ならば問題はないが、そうでない場合は、ハンドル奥の精算ボタンでパンクを回避する事が必要だ。


 

1990年春、私がシャトル21を初打ちした時は、全く予備知識がなかった為、見事に「77」の大当りを速攻パンクさせてしまった。

僅か数秒の間に、一気に天国から地獄へと落とされたのだ。必死になって店員に事情を説明したが、もはや後の祭りであった…。

まぁ、こういうミスを犯しながらも、だんだんと上達して行くのが、むしろ面白かったといえる。

「情報過多」と言われる現代では、まず考えられない状況だが、その情報量が、却って現状をつまらなくしている面も否定できまい。