1997年(平成9年)にパイオニアから登場した沖スロ4号機「シオサイ30」(30φのAタイプ)
パネルに書かれた「Sea Roar」の文字と、 ビスカスの髪飾りを付けた金髪女性「ナミエ」を見るにつけ、当時の様々な記憶が蘇る…。
(ボーナス確率:設定1~6)
BB確率:1/309 1/292 1/273 1/256 1/240 1/240
RB確率:1/655 1/655 1/655 1/655 1/655 1/468
スタートレバーを叩いた瞬間、リール上部左右のハイビスカスがピカピカ光る…。今や、パイオニア系定番の「ボーナス告知」だが、その妖艶な魅力に初めて触れたのが、元祖シオサイである。
初見は、西武新宿駅からほど近い「N拓ビッグポット」というスロ専門店だ。アポロン5連Verの頃には良く通ったが、4号機時代は少々足が遠のいていた。当時は、アルゼ系4号機目当てで、グリンピースタワー店に通っていた頃である。
で、暫く振りに「ビッグポット」を訪れ、何気なく地下フロアを覗いてみると、薄暗い店内にコイツがズラッと並んでいた。見た事のない不思議な筐体に興味を覚え、自然と腰を下ろす。打ち始めると、「この赤い花が光ればボーナスが来るな」という事は、何となく判った。
ただ、その時はなかなかボーナスを引けず、8000円くらい使ってようやくハイビスカスが点滅。その妖しい輝きに、「何て綺麗な光なんだろう…」と感動さえ覚えた。運良くビッグボーナスだったものの、連チャンせずノマレ止め終了、と相成った。
その後、南武線・登戸駅近くの「ニューHトヤ」というスロ専で、再び本機と遭遇する。この店で、いきなり7万オーバーの大勝ちを収めたが為に、一気にハイビスカスの魔力に取り込まれる。
告知時、左リールに上段ビスカスや中段シオサイが止まれば、嬉しいビッグ確定である。ハサミ打ちなら、7やビスカスがテンパイすればビッグ。そして、最後までドキドキしたいときは順押し7狙いと、華が光った後も楽しめるのがシオサイの良い所だ。
4号機といえば、それまでクランキーコンドルやタコスロ、ゲッターマウスなどのアルゼ系技術介入機が好みだった。しかし、シオサイの神々しい華の点滅にやられた後は、寝ても覚めても赤いビスカスばかり目に浮かぶようになった。
しかも、シオサイは、通常時の小役狙いやチェリー合わせ、ビッグ中のリプレイ外し、それに後述する設定判別など、技術介入度は極めて高かった。バケ確率が低いハンデはあったにしろ、十分に勝負できる機種といえた。
登戸「ニューHトヤ」のシオサイは、ノーマル若しくはマイルド連のハウスモノ。ただ、設定判別で5,6は滅多に落ちなかったので、。恐らく中間設定がメインだった筈だ。
それでも、ツボにハマればガツンと気持ち良く噴くのが、シオサイの魅力だ。ニューHトヤのドル箱は非常に小さく、30φのデカコインは800枚程しか入らなかった。しかし、連チャン時にドル箱を4つ5つと積み重ねるのが、却って快感だった。また、このシマに集う老若男女の香ばしい常連達と仲良くなれた事も、懐かしい思い出である。
登戸以外にも、溝の口「N拓」、向ヶ丘遊園「Bンバン」、自由ヶ丘「ニューMツボシ」、青葉台「Fラミンゴ」、四ツ谷3丁目「ザ・リボN」など、高設定台探しに各地を飛び回った。これらの実戦で大きな武器となったのが、ビッグ終了後の「設定判別」である。
シオサイ30の設定判別では、設定5以上を看破する事が出来た。その方法は、以下の通り。
(1)ビッグ終了後、クレジットをすべて落とす。
(2)コインを32枚投入し、そのまま1プレイ消化。
(3)コイン5枚手持ち(手入れ2枚+1ベットで2プレイ⇒手入れ1枚+2ベットで1プレイ)
(4)コイン9枚手持ち(手入れ2枚+1ベットで4プレイ⇒手入れ1枚+2ベットで1プレイ)
(5)以後は、9枚手持ちを繰り返し、判別プレイのチェリー・ベル、スイカ出現率をチェック。
(6)判別Pはクレジット表示「30」の時で、トータル小役出現率35%以上なら合格。
この方法で、シオサイのシマには、意外な程に高設定台が転がっている事に気づく。ただ、店によっては若い常連が判別を駆使して、高設定をガッチリ抑えていることも多かった。
その後、2001年に名古屋に遠征をした際、名古屋駅・太閤口近くの「Wイングレット」というパチ屋の地下で、10万オーバーの爆勝を体験する。終日打ち続けて7000枚出したが、あからさまな裏モノという印象は受けなかった。ただ、判別で5,6は落ちなかったので、中間設定の引き強であろう。
また、名古屋駅から少々足を伸ばし、今池というエリアに足を伸ばした際には、「Kング」という小さなスロ屋で、バキバキのビッグ連チャンをかます裏シオサイに遭遇した。連チャン中はリプレイ後に告知が発生したので、間違いなく「リプピカバージョン」だったと思う。
こうして、ドップリとシオサイ漬けとなった私は、その後「ハイハイシオサイ30」「ハナハナ30」そして「シオラー30」と、パイオニア・ビスカス系の名機達に傾倒していった。そのきっかけを与えてくれた元祖シオサイに、今あらためて感謝したい。