Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

手から伝わる

2015-04-10 09:32:32 | 素敵な現場
こんにちは。Kyokoです。

もう4月のシニアアートセラピーを開催していますが、まずは3月のことをお伝えします。


さて今回は長年やってみたいと思っていた「手」をテーマにアートセラピーを行いました。

私がアートセラピーを始めた頃、シニアの皆さんの「手」の作品を映像で見る機会がありました。

当時はどのような流れでそのワークが行われたのかはわかりませんでしたが、

ただただ「いいな。」と思ったのでした。

そんな想いを持ちながら何年も経過して。。。ふと、今回やろうと思えたのです。


やってみようと思ってから、素材はどれにしようかと試したり、流れはどうかなと検討したり。。。

そうしていると、今まで関わったいろんな人の手が思い浮かびました。

祖父母の手、両親の手、先生の手、様々な職業の方の手、友達の手、仲間の手、

もちろん現場でお会いしているシニアの方の手や自分の手も。。。

この時点でかなりあたたかい気持ちになりました。


当日は手の写真をテーブルに用意して、その写真を見ながら手について自由にお話しすることから始めました。



また、私が一番印象に残っている祖母の手のエピソードをお伝えしました。

まだ幼い頃の私の祖母に対する想いを手を通してお話しすると、シニアの皆さんのあたたかい視線を感じました。

私の顔が見えるようにと、前のめりになって聴かれている姿もみられるほどでした。

幼い頃の私の姿を想像されてあたたかく見守って下さったのか。。。

ご自分の体験を重ねあわされてイメージが広がっておられたのか。。。

あたたかく優しい空気が流れていました。


それからシニアの皆さんは、







こんなふうに、ご自分の手と対話するように丁寧に素材と触れ合いながら表現されていました。


そして、表現しているプロセスの中や作品紹介をしている時の様子です。

「おもしろいわ!」と素材の感触に夢中になっている方、

「私は手が動かないからできない。」「片方の手が痛いから。。。」と躊躇されている方も、

じっくりとお話を伺いながら一緒に進めると、自然に手を動かされたり、

「もう思い残すことはありません。」と話される方がいたり、

「実はね。。。」と胸に秘めた想いを涙ぐみながら話される方がいたり、

「これが俺の人生!」とこれまでの人生を味わっておられる方がいたり、

様々なことがアート表現から伝わってきました。


また、一緒に参加されていたご家族からの言葉です。

「ここに参加すると、いつもは見られない表情をするんですよ。そのことが私も嬉しいんです。」と。

来室される時は険しい表情をされていても、写真をご覧になったり、体操や歌ったりしているうちにどんどん笑顔になられます。

素材に触れながら表現する頃には、ニコニコしながら自ら言葉を発せられるのです。


ここでは紹介しきれない様々なことが現場にはあります。

シニアの現場に関わりたいと思われる方は、是非一緒に場を創りましょう。

何だか最後は呼びかけになりましたが、いろんな方に触れていただきたい想いです。

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