笑顔の花火

「きっとうまくいきますよ」

そういうと隣りの席に座っていたちょっと不思議なおばあさんは

ニッコリ笑って席を立ちました。

もちろん全く知らない女性です。

喫茶店の席の隣りで私たちは今日これから行われるワークの準備や

流れをわーわーきゃーきゃー。

やっていたのはそれだけなのに。



その不思議なおばあさんの言葉は当たりました。



この日はヤスコのシニアプレデビューの日

満開の花火をシニアのみなさまと楽しみました。

対象は傾眠の方も多い午後の介護フロアのみなさんです。

この日はたっぷり花火のぬり絵

一枚一枚ヤスコの手作り

塗りやすい工夫はもちろん、事前のWUではサポーターが作った沢山の花火のキラキラを

「たまやぁ～　どんどんどん」とみんなで天井めがけて打ち上げました。

途中で投げ合う活気あるシニアの方も現れたりして、大笑いです。



おばあさんが言った「うまくいきますよ」

本当にその通りでした。

この現場ではじめて前に立つ

ヤスコの笑顔がまるで花火のように満開に花開き

シニアのみなさんにもフロア一杯に笑顔が広がっていきました。



その様子を見て私は涙が溢れてしまいました。

どうにかごまかしましたが、号泣寸前。

人の笑顔を見て涙が出てくるなんて今まであったかな？



文字にすると伝わりづらいのですが

それくらいヤスコの笑顔には力があったのです。

いつもニコニコしていますが、

この日の笑顔は更に格段人の心を振るわせる位のものでした。

しかも全く緊張もわざとらしさもなくです。



そのあったかいものが一瞬にして広がっていった。

夜空に打ち上げられた花火のように。




「私はその人の笑顔があふれている場所を作りたい」

それが彼女のビジョンです。

その場所を自分で作り出すには

まず自分がそのビジョンを生きていないといけません。



もうそれがここにあった。



シニアのみなさんの熱中振りに私たちは更に感動

そしてそこに塗られた色とりどりの花火は

その方の笑顔に溢れた楽しい色がちりばめられました。






私はこの日の笑顔の花火は忘れそうにありません。

シニア担当のYokoでした。