オリジナル小説第二弾
~アイドルとの恋~
【アクアマリン】Vol.1
「今日のJewelのコンサート最高やったん!!」
「そうだね・・・いつもよりシュウと翔のハモリもよかったし」
「まあ・・・最終日だったからね」
「あ~これで当分の間、翔様にあえないと思うと直美泣けてくるわ・・・」
「でも、新曲でるらしいで・・・今日の23時からのテレビで放送するんやったと思うけど・・・」
Jewel
いまや全国知らない人がいないほどのトップアイドル。
滝村 秀哉(たきむら しゅうや)20歳 通称 シュウ
風間 翔(かざま しょう) 22歳 通称 ショウ
相場 俊平(あいば しゅんぺい)21歳 通称 シュン
桜井 慎吾(さくらい しんご) 23歳 通称 シン
の4人組アイドルグループである。
彼らのグループ名「Jewel」にちなんで彼らの曲には、全部宝石の名前がついている。
「ルビー」「サファイヤ」「キャッツアイ」「ダイヤモンド」
「エメラルド」トパーズ」
そして私達は、来年に卒業を控えた大学3年生
ちょうどJewelのコンサートの帰り道である。
私、穂奈美は、ツインボーカル シュウのファン。
同じくツインボーカルの翔様のファンが直美。
大阪弁の若菜は、ギタリストのシュンのファン
そして、私と一番仲のいい愛理は、シンのファン。
今日は、Jewelのコンサート最終日。
祭りの終わった後の淋しさはそこはかとなく切ない。
「ねえ・・・なんか今からカラオケでもいってもりあがらん?
なんかこのままかえるんもいややもん」と若菜
「そうね・・・Jewelの曲でも熱唱して帰るのも一興かも」
と直美
「穂奈美はどうする??」と愛理
「ごめんちょっと今日は用事があって」
「もういつもつれないな~彼氏でもできたんちゃう?」
「穂奈美彼氏いるよね・・・この頃よくメールしてるし・・・
でも結構秘密主義だな・・・おぬしは・・・」と直美
「だったらさ・・みんな彼氏いるんやったら、今度、合同デートでトロピカルランドでもいかへん?」
「いいかも・・・私達、3人は、この前飲み会彼氏連れてきたけど、穂奈美の彼氏だけは、仕事でこれなかったしね」
「そうだっけ??まあ・・とりあえず、今日はゴメン・・・急いでいるから・・・埋め合わせはきっとするから」と手を合わせて友達に謝りながら来たタクシーに飛び乗った。
ちょうどタイミングよく「ルビー」の着メロがなった。
「今日、コンサートの打ち上げブッチしてくるから、21:00にはいくね
シュウ」
とのメール
「了解いつもの食事用意しとくね」
私は、今日の献立を頭の中でさっと段取りを考えていた。
マンションにつくとまず、テーブルに花を飾り早速ディナーの準備にかかった。
また「ルビー」の着メロがなった。
「車渋滞。分ほど遅れる シュウ」
「了解気をつけてきてね」
時計と睨めっこしながら、彼の好物のカルボナーラのソースを作り、ミモザサラダになぜか餃子。
21:15分ジャストに
ピンポーンコンコンコンといつもの合図が聞こえた。
「じゃーん」
Jewelのボーカリストシュウは、後ろ手で隠していたワインを差し出した
「打ち上げ会場から、失敬してきちゃった。一番高いらしいよ・・・10万円以上するってあいつら今頃ブーブー行っているだろうな(笑)」
****ちょうど1年前******
友達との飲み会の帰りにほろ酔い気分で帰宅をした。
するとマンションの玄関ホールに見知らぬ少年が、ほぼ泥酔状態でうずくまっていた。
私はそのまま無視して、見過ごすか、警察に連絡するか一瞬躊躇した。すると彼のペンダントに見覚えがあった。
そしてジャンパーにも
「大丈夫ですか?」と声をかけると彼は
酔ったうつろな目で私をみた。酔いつぶれてはいるが、今ブレーク中のJewelのメンバーのシュウだということに気付いた。
(警察沙汰にしたらまずいし、といってここにもほっておけないし・・・)
「立てますか?肩貸しますから・・・」
といって、今振り返るとなぜかわからないが私は無防備にも彼を自分の部屋に運びいれていた。
軽く頬を叩いても反応のないシュウのジャンパーを脱がせ、
TシャツとGパン姿にすると私は彼をバスルームに連れて行き、
頭から暑いシャワーをかけた。
「何するんだよ!!!」
彼はびっくりした顔で私を見つめそしてにらんだ。
「何するんだよ!じゃないでしょ!!あなた未成年でしょ!!こんなことマスコミや事務所にばれたらどうなるのかわかってるの!!!!」
「うるせえーなほっといてくれよ!!
あ、もしかして、君、俺のファンとか??」
私は蛇口を水の方向に回し、冷水を思い切り彼の顔に浴びせた
「少しは、頭を冷やしなさい!!」
「なんだよ!!」
「イヤなら警察呼ぶわよ・・・」
ビクン、さすがに彼も少し酔いがさめてきたらしく、おとなしく頭から冷水をあびつづけていた。
シャワーをとめ、私はバスタオルとバスローブを彼になげてあげた。
「男物の下着なんてないから我慢してね。Tシャツ、Gパン、下着脱いだら洗濯機にいれておいて!!」
さっきまでの勢いが嘘のように彼は、借りてきた猫のようにおとなしくなり、ダイニングテーブルについた。
ホットミルクを差し出すと、「ありがとう」と小さな声でつぶやいた。
「なんであんなところでうずくまっていたの?」
「酔っていて自分のマンションと間違ったみたい」
「それにしてもやばくない?あなたまだ未成年でしょう?」
「あさって20歳になるけどな・・・」
「芸能界で未成年で飲酒して、たくさんのアイドル達が引退を余儀なくされてるの知っているでしょう・・・」
「だってさ・・・事務所にそろそろオリジナルやらせてくれっていったら、NGだっていうし、今度の新曲、俺じゃなくて翔をメインボーカルにして、おれがハモリだっていうし、やってらんねえよ・・・」
口を尖らせていう彼の頬をいつの間にか叩いていた。
パチン
「甘ったれるんじゃないわよ!!オリジナルやりたいって、そのデモテープとかはつくって聞かせたの?」
「いや・・・まだこれから・・・」
「メインボーカルじゃないっていって!ハモリパートっておもっているほど簡単じゃないのよ・・・」
「私は、人の声は一番素晴らしい楽器だと思っている。
その人の声がおりなすハーモニー、和音は素晴らしいと・・・
それをそんな生半可な気持ちでやったら、いい曲できるわけないじゃない!!」
「少しくらい顔がよくて売れたって、すべてが自分の力じゃないでしょ!!事務所やスタッフや、マネージャーやたくさんの人に支えられて貴方達は、今光の中にいられるのよ。
沢山の人が芸能界にあこがれる。でも成功するのはほんの一握り。あとは、挫折して去っていく。アイドルは偶像であり、夢をうるのが商売なのよ!!」
「それをお酒なんかのんで、少しは自分の立場をわきまえなさい!!」
そこまで一気にまくしたてると私はシュウが泣いているのに気がついた。
「ごめん。というかありがとう。この世界には13歳ではいって、すぐにちやほやされて、こんな説教されたのはじめてだよ。しかられたのも、みんないいよいいよっておだてるばかりで・・」
「俺 滝村秀哉 シュウって呼んで。あなたの名前教えてくれますか?」
「私は、末丘 穂奈美」今大学2年生よ・・・
「逢ったばかりでこんな事いうの変なんだけど、穂奈美さんに彼氏とかいなかったら、俺好きになってもいいかな?」
彼の目は先ほどまでの酔いは完全に消えて真剣だった。
「おごり高ぶっていた鼻をぺしゃんこにされたし、君なら僕が違う方向に行きそうになったら、正しい方向に導いてくれそうだよ・・・そう羅針盤のように・・・・
この世界にはいって初めて心と心で会話できそうだよ・・」
自信家の彼が今はとても素直になりとても愛おしくみえた。
「いいわよ。でも約束よ。あさっての20歳のバースデーまではお酒とかタバコとかやらないことと。それと泥酔は無しね 芸能人としての自覚、社会人としての自覚を持つこと」
「やったありがとう。じゃあ早速あさってまた、遊びに来てもいい??俺の20歳のバースデー、穂奈美さんと乾杯してお酒のみたいから。ちょうど仕事オフだし」
キラキラ輝く彼の瞳に未来への希望の輝きが戻っていた。
私は、寝室にはってある、シュウのポスターをどこかに隠しておかなきゃと一人心で思っていた。
*****つづく*****
~アイドルとの恋~
【アクアマリン】Vol.1
「今日のJewelのコンサート最高やったん!!」
「そうだね・・・いつもよりシュウと翔のハモリもよかったし」
「まあ・・・最終日だったからね」
「あ~これで当分の間、翔様にあえないと思うと直美泣けてくるわ・・・」
「でも、新曲でるらしいで・・・今日の23時からのテレビで放送するんやったと思うけど・・・」
Jewel
いまや全国知らない人がいないほどのトップアイドル。
滝村 秀哉(たきむら しゅうや)20歳 通称 シュウ
風間 翔(かざま しょう) 22歳 通称 ショウ
相場 俊平(あいば しゅんぺい)21歳 通称 シュン
桜井 慎吾(さくらい しんご) 23歳 通称 シン
の4人組アイドルグループである。
彼らのグループ名「Jewel」にちなんで彼らの曲には、全部宝石の名前がついている。
「ルビー」「サファイヤ」「キャッツアイ」「ダイヤモンド」
「エメラルド」トパーズ」
そして私達は、来年に卒業を控えた大学3年生
ちょうどJewelのコンサートの帰り道である。
私、穂奈美は、ツインボーカル シュウのファン。
同じくツインボーカルの翔様のファンが直美。
大阪弁の若菜は、ギタリストのシュンのファン
そして、私と一番仲のいい愛理は、シンのファン。
今日は、Jewelのコンサート最終日。
祭りの終わった後の淋しさはそこはかとなく切ない。
「ねえ・・・なんか今からカラオケでもいってもりあがらん?
なんかこのままかえるんもいややもん」と若菜
「そうね・・・Jewelの曲でも熱唱して帰るのも一興かも」
と直美
「穂奈美はどうする??」と愛理
「ごめんちょっと今日は用事があって」
「もういつもつれないな~彼氏でもできたんちゃう?」
「穂奈美彼氏いるよね・・・この頃よくメールしてるし・・・
でも結構秘密主義だな・・・おぬしは・・・」と直美
「だったらさ・・みんな彼氏いるんやったら、今度、合同デートでトロピカルランドでもいかへん?」
「いいかも・・・私達、3人は、この前飲み会彼氏連れてきたけど、穂奈美の彼氏だけは、仕事でこれなかったしね」
「そうだっけ??まあ・・とりあえず、今日はゴメン・・・急いでいるから・・・埋め合わせはきっとするから」と手を合わせて友達に謝りながら来たタクシーに飛び乗った。
ちょうどタイミングよく「ルビー」の着メロがなった。
「今日、コンサートの打ち上げブッチしてくるから、21:00にはいくね
シュウ」
とのメール
「了解いつもの食事用意しとくね」
私は、今日の献立を頭の中でさっと段取りを考えていた。
マンションにつくとまず、テーブルに花を飾り早速ディナーの準備にかかった。
また「ルビー」の着メロがなった。
「車渋滞。分ほど遅れる シュウ」
「了解気をつけてきてね」
時計と睨めっこしながら、彼の好物のカルボナーラのソースを作り、ミモザサラダになぜか餃子。
21:15分ジャストに
ピンポーンコンコンコンといつもの合図が聞こえた。
「じゃーん」
Jewelのボーカリストシュウは、後ろ手で隠していたワインを差し出した
「打ち上げ会場から、失敬してきちゃった。一番高いらしいよ・・・10万円以上するってあいつら今頃ブーブー行っているだろうな(笑)」
****ちょうど1年前******
友達との飲み会の帰りにほろ酔い気分で帰宅をした。
するとマンションの玄関ホールに見知らぬ少年が、ほぼ泥酔状態でうずくまっていた。
私はそのまま無視して、見過ごすか、警察に連絡するか一瞬躊躇した。すると彼のペンダントに見覚えがあった。
そしてジャンパーにも
「大丈夫ですか?」と声をかけると彼は
酔ったうつろな目で私をみた。酔いつぶれてはいるが、今ブレーク中のJewelのメンバーのシュウだということに気付いた。
(警察沙汰にしたらまずいし、といってここにもほっておけないし・・・)
「立てますか?肩貸しますから・・・」
といって、今振り返るとなぜかわからないが私は無防備にも彼を自分の部屋に運びいれていた。
軽く頬を叩いても反応のないシュウのジャンパーを脱がせ、
TシャツとGパン姿にすると私は彼をバスルームに連れて行き、
頭から暑いシャワーをかけた。
「何するんだよ!!!」
彼はびっくりした顔で私を見つめそしてにらんだ。
「何するんだよ!じゃないでしょ!!あなた未成年でしょ!!こんなことマスコミや事務所にばれたらどうなるのかわかってるの!!!!」
「うるせえーなほっといてくれよ!!
あ、もしかして、君、俺のファンとか??」
私は蛇口を水の方向に回し、冷水を思い切り彼の顔に浴びせた
「少しは、頭を冷やしなさい!!」
「なんだよ!!」
「イヤなら警察呼ぶわよ・・・」
ビクン、さすがに彼も少し酔いがさめてきたらしく、おとなしく頭から冷水をあびつづけていた。
シャワーをとめ、私はバスタオルとバスローブを彼になげてあげた。
「男物の下着なんてないから我慢してね。Tシャツ、Gパン、下着脱いだら洗濯機にいれておいて!!」
さっきまでの勢いが嘘のように彼は、借りてきた猫のようにおとなしくなり、ダイニングテーブルについた。
ホットミルクを差し出すと、「ありがとう」と小さな声でつぶやいた。
「なんであんなところでうずくまっていたの?」
「酔っていて自分のマンションと間違ったみたい」
「それにしてもやばくない?あなたまだ未成年でしょう?」
「あさって20歳になるけどな・・・」
「芸能界で未成年で飲酒して、たくさんのアイドル達が引退を余儀なくされてるの知っているでしょう・・・」
「だってさ・・・事務所にそろそろオリジナルやらせてくれっていったら、NGだっていうし、今度の新曲、俺じゃなくて翔をメインボーカルにして、おれがハモリだっていうし、やってらんねえよ・・・」
口を尖らせていう彼の頬をいつの間にか叩いていた。
パチン
「甘ったれるんじゃないわよ!!オリジナルやりたいって、そのデモテープとかはつくって聞かせたの?」
「いや・・・まだこれから・・・」
「メインボーカルじゃないっていって!ハモリパートっておもっているほど簡単じゃないのよ・・・」
「私は、人の声は一番素晴らしい楽器だと思っている。
その人の声がおりなすハーモニー、和音は素晴らしいと・・・
それをそんな生半可な気持ちでやったら、いい曲できるわけないじゃない!!」
「少しくらい顔がよくて売れたって、すべてが自分の力じゃないでしょ!!事務所やスタッフや、マネージャーやたくさんの人に支えられて貴方達は、今光の中にいられるのよ。
沢山の人が芸能界にあこがれる。でも成功するのはほんの一握り。あとは、挫折して去っていく。アイドルは偶像であり、夢をうるのが商売なのよ!!」
「それをお酒なんかのんで、少しは自分の立場をわきまえなさい!!」
そこまで一気にまくしたてると私はシュウが泣いているのに気がついた。
「ごめん。というかありがとう。この世界には13歳ではいって、すぐにちやほやされて、こんな説教されたのはじめてだよ。しかられたのも、みんないいよいいよっておだてるばかりで・・」
「俺 滝村秀哉 シュウって呼んで。あなたの名前教えてくれますか?」
「私は、末丘 穂奈美」今大学2年生よ・・・
「逢ったばかりでこんな事いうの変なんだけど、穂奈美さんに彼氏とかいなかったら、俺好きになってもいいかな?」
彼の目は先ほどまでの酔いは完全に消えて真剣だった。
「おごり高ぶっていた鼻をぺしゃんこにされたし、君なら僕が違う方向に行きそうになったら、正しい方向に導いてくれそうだよ・・・そう羅針盤のように・・・・
この世界にはいって初めて心と心で会話できそうだよ・・」
自信家の彼が今はとても素直になりとても愛おしくみえた。
「いいわよ。でも約束よ。あさっての20歳のバースデーまではお酒とかタバコとかやらないことと。それと泥酔は無しね 芸能人としての自覚、社会人としての自覚を持つこと」
「やったありがとう。じゃあ早速あさってまた、遊びに来てもいい??俺の20歳のバースデー、穂奈美さんと乾杯してお酒のみたいから。ちょうど仕事オフだし」
キラキラ輝く彼の瞳に未来への希望の輝きが戻っていた。
私は、寝室にはってある、シュウのポスターをどこかに隠しておかなきゃと一人心で思っていた。
*****つづく*****