恋愛小説「メールの涙」は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
純愛をテーマにしているので年齢関係なく読める恋愛小説になっています。
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第四章 出会い
合コンはかなりつらい。本音と建前がまさにぐちゃぐちゃに交じり合っている場所だからだ。
「おい~啓祐・・こっちだ・」
入り口を入ると拓也があわてて駆け寄ってきた。
(何遅れてきているんだよ!!マジ焦ったぜ。)
「悪い、悪い。遅れて・・・」
「大丈夫だよ。みんな今来たばっかりだ。」
(よかった啓祐、たいしたおしゃれもしてないし。これなら俺の引き立て役になるな)
ふぅ・・・相変わらず表と裏のある奴だ・・
だめだ。心の扉を閉じておかないと今夜はこっちがおかしくなりそうだ・・。
拓也に案内されて奥の方に行くと女性4人と悪友の信吾と正弘がいた。
「おせえぞ。啓介・・こちら我が校の合唱部の女子の方々だ。」
すでに2杯程度ビールを飲んでいるのか、頬をすこし赤らめた信吾が女性陣を紹介した。
「初めまして」
それぞれ、それなりにおしゃれをしてきている女性4人の顔が目に飛び込んできた。
(啓祐君って言ったっけ?まぁまぁじゃん。)
(ふ~ん。うちの大学にしちゃ、今夜はレベル高いかも!でもな~この信吾って子、顔はいいんだけどちょっとさっきからさりげなくタッチしてきて慣れなれしいんだよね)
(うゎ!私の趣味の男いない!!ふぁ~今日は、お持ち帰りは期待できないな・・・)
はぁ~品定めされている。だめだ。シャットダウン!!
「じゃ!啓祐も来た事だし。もう一度乾杯!!」
拓也が、ビールジョッキを突き上げた。
俺は、心の扉を閉じたまま、拓也にすすめられた席に座った。
「こんばんは」
啓祐の隣に座った、セミロングの彼女が、改めて啓祐の方を向いて挨拶をした。
他の3人に比べるとおとなしそうな女性だった。
キーン
うわ・・・この彼女!
と、啓祐は顔をまじまじと見てしまった。
間違いない・・彼女だ。さっきの間違いメールの送り主だ。
「啓祐!何岡田さんの顔見つめているの?岡田さん。こいつ知り合い?」
「いいえ。今日初めてです」
岡田さんと呼ばれた女性は伏目がちに言った。
(私はこんなところにくるべきじゃなかった。私の心はまだ泣いている)
岡田さんは、合コンの場にはそぐわないような暗い目をしていた。
「岡田さん?」
「はい。」
「大丈夫?ちょっと顔色悪いよ。」
「大丈夫です」
(なんでわかるの?)
「自分は場違いだって顔している」
「!」
(わかった。こうやって俺も場違いだからどっかに飲みに行こうって二人きりになる作戦ね)
岡田は、ちょっと身を硬くすると剣のある目で軽く啓祐をにらんだ。
「大丈夫。別に誘ったりしないから」
「・・・・・」
「俺、大場啓祐。改めてよろしく」
俺は、ビールのそそがれているグラスをかるく片手であげた。
「私は岡田詩織。合唱部でソプラノのパートリーダーをしています。」
(絶対にリーダーって顔じゃないって思っているんだわ)
「パートリーダーか。なつかしいな。俺は高校のとき
テノールのパートリーダーだったんだけど。柄にもないってよく言われたよ」
「私もよく言われるんです。啓祐さんって合唱部だったんですか?」
「うん。母親の影響で、よくオペラとか聞かされていてね。でも、結構パートリーダーって難しいよね」
「はい。私も苦労しています。パートをまとめるだけでなく曲の解釈とか指揮者と違わないようにとか・・、一人一人の声の質っていうか。誰かが目立ちすぎるとハーモニーが崩れちゃうし・・・」
(私、何話しているんだろう・・・でも、なんかこの人・・話しやすい)
詩織と啓介はすっかり打ち解けた風でおしゃべりに花が咲いた。こうして合コンの夜も無事に過ぎてゆくのであった。
~第五章 メールへつづく~
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