恋愛小説「途中下車」は、作者が初めて掲載する、大人の恋愛を描いた小説であり、
文中に一部今までの小説とは違った、男女の恋愛描写が描かれている部分がございますので、ご了承の上お読みください。
また、この物語に関しては、長編小説初挑戦で現在作成途中のため、不定期に掲載される場合があります。
当小説は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。
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~NO.25~
「あぁ・・・若くして亡くなった、伝説のロックシンガーだろう?」
「うん。十五でデビューして、26歳という若さで亡くなった、私がもっとも愛するアーティスト。彼、よくここからの風景を目にしながら、たくさんの曲を作っていたんだって。」
ふとこの歌碑に記されている「黄昏」という曲が、頭の中を回りだした。
「伝説のロッカーっていう割には、これは、淋しい曲だよね。」
「うん。神崎龍は、もちろんロックンロールもすごかったけど、彼の生み出すバラードは、
人の心の奥底に流れている、本当の悲哀を歌っていて、聴く人の心を震わせることができるの。彼はね。生まれも育ちも東京。でも、ものすごく海が好きだった。この東京湾の夕日を見ながら、遠い海の向こうに思いを馳せていた。で、彼の生前の希望で、ここにお墓が作られたの。」
というと百合菜は、かばんから線香を取り出し、火をつけた。
そのまま、お墓の前にしゃがむと長い間、目をつむり、手を合わせていた。
やがて百合菜は顔をあげると、俺のほうを向きながら、微笑んだ。
「おなか、すいちゃった。何か食べて帰ろう。」
「う・・・うん。」
居酒屋に入るまで、百合菜は一言も口をきかなかった。
俺たちは、ゆっくり話ができるよう、個室のあるお店を選んだ。
やがてビールがくると、百合菜は、ジョッキを軽く持ち上げて言った。
「お疲れ様。そして今日は、ありがとう・・・」と
一杯目のビールを一気に飲むと、百合菜は、俺の目を真っ直ぐに見つめた。
「今まで、行きたくても行けなかったんだ。神崎龍のお墓参り」
「なぜ?」
「お姉ちゃんと、最初に、行く約束をしていたから。」
「じゃあ・・・なんで、今日、俺と?」
「だって、もう、お姉ちゃんと行くことはできないから。」
運ばれてきた二杯目のビールを軽く持ち上げると百合菜は言った。
「大好きだった、お姉ちゃんに献杯。」
**NO.26 第十七章「百合菜の姉」へつづく**
http://blog.goo.ne.jp/sherry0324/e/8f6c4adb8afb6817d5dcd2ec20d873d3
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「うん。十五でデビューして、26歳という若さで亡くなった、私がもっとも愛するアーティスト。彼、よくここからの風景を目にしながら、たくさんの曲を作っていたんだって。」
ふとこの歌碑に記されている「黄昏」という曲が、頭の中を回りだした。
「伝説のロッカーっていう割には、これは、淋しい曲だよね。」
「うん。神崎龍は、もちろんロックンロールもすごかったけど、彼の生み出すバラードは、
人の心の奥底に流れている、本当の悲哀を歌っていて、聴く人の心を震わせることができるの。彼はね。生まれも育ちも東京。でも、ものすごく海が好きだった。この東京湾の夕日を見ながら、遠い海の向こうに思いを馳せていた。で、彼の生前の希望で、ここにお墓が作られたの。」
というと百合菜は、かばんから線香を取り出し、火をつけた。
そのまま、お墓の前にしゃがむと長い間、目をつむり、手を合わせていた。
やがて百合菜は顔をあげると、俺のほうを向きながら、微笑んだ。
「おなか、すいちゃった。何か食べて帰ろう。」
「う・・・うん。」
居酒屋に入るまで、百合菜は一言も口をきかなかった。
俺たちは、ゆっくり話ができるよう、個室のあるお店を選んだ。
やがてビールがくると、百合菜は、ジョッキを軽く持ち上げて言った。
「お疲れ様。そして今日は、ありがとう・・・」と
一杯目のビールを一気に飲むと、百合菜は、俺の目を真っ直ぐに見つめた。
「今まで、行きたくても行けなかったんだ。神崎龍のお墓参り」
「なぜ?」
「お姉ちゃんと、最初に、行く約束をしていたから。」
「じゃあ・・・なんで、今日、俺と?」
「だって、もう、お姉ちゃんと行くことはできないから。」
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