詩絵里(★シェリー★)の星の囁き達

尾崎詩絵里(★シェリー★)の自作恋愛小説及びポエム、写真専用部屋です。掲載文の引用、転載は固くお断りいたします。

恋愛小説「途中下車」NO.81

2011年11月08日 | 恋愛小説「途中下車」
恋愛小説「途中下車」は、作者が初めて掲載する、大人の恋愛を描いた小説であり、
文中に一部今までの小説とは違った、男女の恋愛描写が描かれている部分がございますので、ご了承の上お読みください。
また、この物語に関しては、長編小説初挑戦で現在作成途中のため、不定期に掲載される場合があります。
当小説は、作者のオリジナルフィクション物語であり、登場する人物、団体名は実在するものとは全く関係ありません。

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第四部第二章 写真NO.81

目の前に青ざめた友香がいた。
「百合菜・・・ごめんなさい。ううん、何度、謝ったって許してもらえないと思うけど。」
私と友香の間には、3枚の写真が置いてあった。

「友香・・・この写真・・・どういうこと?」
髪の長い女性と中年の男性がホテルに入るところと出てくるところの写真だった。

内示祝い会の途中、高井と私の婚約発表を聞いて、会場から出て行こうとする裕樹を追いかけるため駆け出したとき、私の携帯に友香から電話がかかってきた。
その時、私は始めてその内示祝いに友香が来ていないことに気づいた。

「ごめん、友香、今、ちょっと急いでいるから。」
「お願い、百合菜、電話を切らないで。高井と結婚なんかしちゃだめ!!
私が、すべてを話すからお願い!!」
受話口から、友香の切羽つまった声が聞こえた。
「・・・・。」
これでも、長い間親友をやってきたのだ。親友の声で自体が切迫しているのがわかった。
「わかった。今、どこにいるの?」
「NMホテル・・・・」
「NMホテルのどこ?」
「303号室」
なぜ、友香がホテルにいるのかはわからなかったが、そのホテルはここの会場からも近かった。
「わかった、すぐ行くから。」

「おい・・松井どこいくんだよ・・・主役が・・・・」
まだ、ざわついている雰囲気の中で慌てふためいて、司会者の渡部君が私を呼び止める。
「ごめん。帰る。」
私は、びっくりした顔の同期の間を走りぬけ、出口に向かった。

ホテルのドアのチャイムを押すと、髪は乱れ、青ざめた顔の友香が私を招きいれた。

**第四部第三章「真実」NO.82へつづく**↓
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