序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

第25回公演「六丁目金山ビル・おみまめ」物語1

2013-06-01 18:17:02 | ブログ

5月17日金曜日

午後5時の時報が街に鳴り響く頃、喫茶店「マーガレット」に六丁目金山ビルの住人達が出勤前のひと時を過ごす為のやってくる。

159_2
今日も仕込みが済んだマイネリーベのバーテンダーの修二が資格を取る為の勉強中。

そこへおでん屋「幸ちゃん」の女将の河本幸子が仕込みを終えてやってくる。

幸子の何時もと違う早い出勤に純子のママが問いただすと、オーナーから早めに仕込んでとの依頼があったという。

 純子 「幸ちゃん、今日は仕込が早いんじゃないの?」<o:p></o:p>

幸子 「うん、今日は特別」<o:p></o:p>

 純子 「なに?特別って」<o:p></o:p>

 幸子 「それがさ、今日は忙しくなるから早めに仕込んでおきなって、オーナーから言われたの、それでね」<o:p></o:p>

 純子 「ヘエ、五郎ちゃんから・・なんかあんの」<o:p></o:p>

 幸子 「それが分かんないのよ、詳しい話は何にもなし。昨夜店じまいしてる時に例の調子でアノネアノネって顔出してそれだけ言って行っちゃったの」<o:p></o:p>

 純子 「なにかな・・・ああ、そうか」<o:p></o:p>

 幸子 「なに?」<o:p></o:p>

 純子 「ほら、岩崎恭三」<o:p></o:p>

 幸子 「岩崎って・・・ああ、国会議員の?来てるの?」<o:p></o:p>

 純子 「そう。確か今日、ホテルオーシャンで国政報告会があるんじゃなかったかな。五郎ちゃん、岩崎恭三の後援会の幹事やってるからね、二次会の手配を引き受けてんじゃないの」<o:p></o:p>

 幸子 「ああ、それで」

129_800x532_4

修二の勉強に興味を持った幸子に、純子が修二は資格マニアなのだと教える。

 

幸子 「修ちゃん、何のお勉強」<o:p></o:p>

 純子 「ユーキャンよ」<o:p></o:p>

 幸子 「ああ、ユーキャンで資格取りって奴ね」<o:p></o:p>

 修二 「そうです」<o:p></o:p>

 純子 「今度は何の資格」<o:p></o:p>

 幸子 「えっ、今度はって?」<o:p></o:p>

 純子 「あら、知らなかったの?修ちゃんは資格マニアなのよ、ねえ」<o:p></o:p>

 修二 「ママ、俺、資格マニアじゃないですよ」<o:p></o:p>

 純子 「だってほら、電気工事が出来る資格をもってるし」<o:p></o:p>

 修二 「第二種電気工事士の資格ね」<o:p></o:p>

 幸子 「ヘエーッ」<o:p></o:p>

 純子 「それに、ほら、よく道路で望遠鏡みたいの覗いて何か測ってる人いるじゃない、あの資格だって取ったばかりだよね」<o:p></o:p>

 純子、修二に水を注ぐ。<o:p></o:p>

 幸子 「なにそれ」<o:p></o:p>

修二 「ああ、測量士補の資格の事ですね」<o:p></o:p>

 幸子 「ヘエーッ、そうなの」<o:p></o:p>

 純子 「今度は何なの」<o:p></o:p>

 修二 「2級土木施工管理士」<o:p></o:p>

 幸子 「どんな資格なの」<o:p></o:p>

 修二 「土木工事の現場監督ができる資格ですよ」<o:p></o:p>

 幸子 「なんでそんなの取ろうと思ったの」<o:p></o:p>

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿