田所の禎子が腹痛で担ぎ込まれて来る。
その苦しみ様は尋常ではなく、診療室に入る前に光江はベンチで応急的に触診する。
素早く診断した光江が禎子を診療室に運ぶように指示するが、禎子は痛みに耐え、典子に話があると押しとどめる。
竜也・俊夫 「頑張れ、頑張れ」
禎子 「ウーッ・・・ちょっと待ってくれ。ハアハア・・・典子」<o:p></o:p>
典子 「なんだい義母さん」<o:p></o:p>
禎子 「典子、ワチはもう駄目だ。ウーッ、今まで辛く当たってきたけどあんたの幸せを考えての事なんだよ。許してくれな・・・イタタ・・」<o:p></o:p>
典子 「義母さん、すったら事言わないで」<o:p></o:p>
禎子 「アアーッ・・ワチは死ぬ!」<o:p></o:p>
典子 「義母さん!」<o:p></o:p>
禎子 「・・・ワチが死んだら、典子、あんたは自分の・・・イタタ・・幸せだけを・・竜也、義姉さんを頼むよ」<o:p></o:p>
竜也 「カアチャン!」<o:p></o:p>
禎子、診療室に入る。<o:p></o:p>
何やら二人の間に他人には話せない何かがあるようだ。
あまりの苦しみ様に何事かと村人も駆けつけ様子を伺っていると、ケロッと回復した禎子が現れる。
典子 「義母さん、大丈夫かい」<o:p></o:p>
禎子 「ああ、大丈夫だ。心配かけてすまなかったな」<o:p></o:p>
竜也 「ほれ、座れ座れ」<o:p></o:p>
待合室の椅子に座る禎子。<o:p></o:p>
洋平 「痛みは?」<o:p></o:p>
禎子 「ああ、もうねえな。いやいや、若いけどあの先生は大したもんだ」<o:p></o:p>
典子 「義母さん、よかったね」<o:p></o:p>
禎子 「ああ、何にも痛くねえ」<o:p></o:p>
竜也 「一時はどうなるかと思ったわ」<o:p></o:p>
俊夫 「本当だ」<o:p></o:p>
洋平 「なんの病気よ」<o:p></o:p>
禎子 「ニョロ何とかって言ってたな」<o:p></o:p>
洋平 「ニョロ何とか?なんだそりゃ」
光江の見立ては尿路結石であった。
光江 「禎子さん。さっきも言った様に病名は尿路結石です」<o:p></o:p>
禎子 「ニョウロケツセキ・・・」<o:p></o:p>
典子と顔を見合す禎子。<o:p></o:p>
弾かれた様に様子を伺う一同。<o:p></o:p>
洋平 「(小さく)ン?何て言った」<o:p></o:p>
武志 「(小さく)ニョロッセキっとか言ってたぞ」<o:p></o:p>
民子 「ホラ!」<o:p></o:p>
首を引っ込め聞き耳を立てる一同。<o:p></o:p>
典子 「ニョウロケツセキ?・・・」<o:p></o:p>
竜也 「ニョウロケツセキ」<o:p></o:p>
光江 「ええ、尿路結石」
<o:p> 漁師達は禎子の病名に興味津々である。
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