序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

役者の視界

2015-05-20 14:59:17 | 本番稽古
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さて、いよいよ第29回公演「スマイルマミー・2015」の稽古も最終段階を迎え、私の出番となりました。

これから役者が主体ではなく、役者の創り上げ来たものをお客様にどうも見やすく分かりやすく提供する事ができるかという事が眼目となっていきます。

もう私の指示する事に役者は一も二もなく従わなければならないのです。

もしこの辺りで不平を感じる役者が居たとすれば、その役者は私ではなく、自分の怠慢を責めるべきです。

ええ、そのくらい私は待ちました。

そしてこの日を迎えたのです・・・なんてね。

こうして演出の為の時間を迎えて、役者の為の時間のを振り返るとつくづく役者の変化は視界の変化と感じますね。

本当に子どもの成長過程を見るようですよ。

稽古始めの役者諸君の視界は非常に近く狭いものです。

まるで赤ん坊ですよ。

目の前の言葉を認識するまでに暫しの時間が掛かります。

やがて言葉を手に入れる毎に、周りの景色、関わる人間が見えだしてきて、ようやく欲求が生まれるのです。

欲求が生まれると視界は一気に広がり、見えるモノが変わってきます。

自分を取り囲む世界が見えて来るのです。

やがて言葉が体に入っていくと、一段と視界は広がり作品そのものへと至るのですが、ここで注意しなければならない事は、神の視界になってはいけないという事なんですよ。

神の視界とは演出の視界の事です。

役者は知らない事を知り、見えないものを創っていかなければ生きている人にはなっていかないのです。

広がり過ぎた視界を意志的に狭めたり、消したりすることが役創りなんです。

人創りなんです。

まあ、充分とは行きませんが、それぞれの役者諸君の視界も大人になって来たようです。

これからの10日間更に、その要求の度合いを強めていきましょうかね。



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