エスせんブログ

ラノベ好きなB級小学校教師のエスせんが、教育中心に色々語るブログです。少しでも面白ければ「いいね」御願いします。

文学の香りを感じる『誰が勇者を殺したか』

2024-07-11 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛を語ります。今回は令和6年6月30日に読了し、どうしても語りたくて仕方ない作品を紹介します。
 その作品は、駄犬先生の『誰が勇者を殺したか』です。
 この作品、魔王と戦って勝った勇者が二度と戻らなかった…その謎を探る物語として始まります。もっとも中盤辺りで勇者の死の謎は分かるので、そこからは「勇者とは何か」を考えていく内容となります。一応、勇者が主人公っぽいのですが、謎解きをする人は別人ですし、様々な登場人物が絡んでくるので、群像劇っぽい感じもします。
 この作品を読みながら私は、あまんきみこ先生の名作絵本『きつねのおきゃくさま』を思い出してしまいました。
 主人公のキツネは、ヒヨコやアヒルやウサギを「太らせてから食べよう」と考え、家に招いて世話をします…が、彼らが「親切な」とか「神様みたいな」とか言ってるのを聞いて、徐々に気持ちが変化していきます。「親切な」キツネや「神様みたいな」キツネと言う「役割」を果たそう…と言う変化です。キツネは「役割」に囚われてしまった訳です。
 『誰が勇者を殺したか』の勇者も同じです。自分が選んだ「勇者」と言う「役割」を果たすため、彼は尋常ではない努力をします。それは、「役割」に囚われているキツネと極めて似た姿です。つまり、彼もまた「役割」に囚われているのです。
 そして、こう言った「役割」に囚われてしまうのは、人間の社会では往々にして見られる事ではないでしょうか。
 以前このブログで、『くまクマ熊ベアー』と言うラノベが、私にとって別格なのは何故か…と言う事を書きました。そこに登場する、ドブ泥な性格の下衆校長は、その典型的な例ではないかと思います。自分が選んだ「校長」と言う「役割」に囚われ、「校長は、こうあるべきだ」とか「教務主任は、こうあるべきだ」と言う「べき思考」に陥っているのですから。それを他人にも押しつけてくると、ブログに書いた様な悲劇(私にとっては。第三者から見たら「喜劇」かもしれません)が発生する訳です。
 もっとも、そう言っている私だって、自分の「役割」から完全に自由ではありません。「学年主任だから、ここは私が、解決のために動かなきゃならないんだろうなぁ」などと考え、積極的に、あるいは嫌々ながら動いた事もありましたから。
 こうやって考えてみると、『誰が勇者を殺したか』と言う作品は、「人間の生き方」を描いた作品だと言えます。ラノベ…特に、私が愛読している転生物や悪役令嬢物ラノベは、「出来事」や「事件」を描く事が中心ですから、これは相当に異色作だと言えるでしょう。「人間の生き方」を描いていると言う点では、むしろ文学作品に近いかもしれません。
 作者の駄犬先生は、(本作に限らない様ですが)本屋大賞を受賞したいと考えている様です。これだけ文学の香りを感じるラノベですから、本作が本屋大賞を受賞する事だって、十分に有り得る…いや、是非とも受賞してほしい…私の願いです。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
 
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図書館や本屋には魔力がある

2024-07-04 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語り。今回は、前回(R6.6.27)紹介した『圕(トショカン) の大魔術師』と言うコミックと、ラノベの名作『本好きの下克上』を絡めて書きます。
 この両作品、図書館が深く関わってきます。
 『圕の大魔術師』は、そのものズバリ圕(中央図書館)が舞台です。それだけでなく、物語の序盤では地方の図書館も舞台として登場します。物語と図書館は、切っても切れない関係と言えるでしょう。
 『本好きの下克上』でも主人公マインは、神殿図書室の管理をしたり、貴族学院の図書館の手伝いをしたりと、図書館に深く関わっています。そもそも『本好きの下克上』は、「図書館を作る」と言う野望に向け、周囲を巻き込みながらマインが邁進する話ですから、図書館との関わりが発生するのは当然です。
 そして、この図書館が舞台となっている事が、我々読者に影響しているのではないか…『圕の大魔術師』を読んだ時、そう私は感じました。
 何故なのか…考えた末の私なりの結論。
 我々読書をする者にとって、図書館や本屋には魔力がある…です。
 我々は、図書館や本屋が発する魔力に抗う事が難しい。だから、図書館が舞台となっていたり、図書館に関わる話が展開されると、ついつい読んでしまうのではないでしょうか。
 では、我々を魅了する図書館の魔力とは何か。
 これは、次回のブログで語りたいと思います…と思ったのですが、どうしても紹介したい本が出来ました。それで、次の次の回のブログで語らせていいただきます。
 いずれにしても、図書館に関わる話を展開している『圕の大魔術師』や『本好きの下克上』は、なかなか良いポイントを突いている作品ではないかと思います。何せ、図書館に関わる話というだけで、それなりの数の読者を魅了してしまうのですから。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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ラノベじゃないけど『圕(トショカン)の大魔術師』

2024-06-27 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語り…ですが、この頃は色々と書いていますね。スミマセン。今回も、ラノベではなくコミック(漫画)です。
 今回紹介する作品は、泉光先生が絵を描いている『圕(トショカン)の大魔術師』です。元々は、ソフィ=シュイムと言う方が書いた『風のカフナ』と言う作品が原作(原案?)の様で、表紙には「画・泉光」と書かれています。
 因みに、「圕」と言う文字はありますが、「としょかん」と言う読み方は見つけられませんでした。もしかすると、このコミック独自に作った「読み方」かもしれません。実際、調べた2つの書店系サイトでは、「圕の大魔術師」ではなく、「図書館の大魔術師」と表示されていました。まぁ、その方が調べやすいからかもしれませんが…。
 この作品、なかなか壮大な物語です。
 舞台は、魔法が存在する架空の大陸。そこでは書物や文書が大きな力をもつため、「圕法」と言う法律により、全ての書物や文書が「中央圕」によって管理されています。そんな世界で主人公シオ=フミスは、とある出逢いをきっかけに「中央圕」の司書を目指す事となり、やがて…と言う感じで展開していきます。現在、8巻まで出ているのですが、まだまだ物語の序盤と言う印象で、この後の展開は全く読めません。
 ところで、このコミック、勝手な私のイメージですが、「とても『アフタヌーン』っぽい作品」と感じます。キャラの立った登場人物、印象的な台詞、既視感のある場面設定…面白いと感じさせる要素を詰め込み、読み手をぐいぐい引き込んでいくからです。
 例えば、「既視感のある場面設定」で言えば、第二次世界大戦中に発生した大量虐殺をイメージさせる事件があった…と、作品の中では設定されています。御丁寧に、そのきっかけとなった書物(史実では『我◆闘争』ですが…)も作品中に存在しており、歴史を知っている読み手であれば、これだけでググッと引き込まれるでしょう。
 そうかと思えば、「空から少女が降ってくる」場面もあります。これ、明らかに『天空の◆ラピ◆タ』でしょう。人類の暗い歴史と結び付けて緊張感を高めたかと思えば、マニアックなネタで面白がらせる…緩急が効いています。
 そして、重要な要素…図書館(圕)です。何せ、書籍案内の文にも「ビブリオファンタジー」と書かれています。この要素は外せません。
 ただ図書館の要素については、「ビブリオファンタジー」ラノベの傑作『本好きの下克上』とも関連します。ですから、また別な記事として書きたいと思います。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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追い詰め方がエグい『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト「無限ガチャ」でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&「ざまぁ!」します!』

2024-06-20 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語り。今回は、私には珍しい「復讐物」です。
 あまり私は読まないのですが、ジャンル的に「復讐物」と呼べそうなラノベがあります。ほとんどの場合、主人公は仲間や恋人や国家に裏切られ、命の危機に陥ったり、社会的に抹殺されたりします。そのドン底状態から這い上がり、自分を裏切った相手に復讐をする…と言うのが、基本的な展開です。
 以前に紹介した『悪役令嬢の中の人』も、「復讐物」の要素が色濃い作品と言えます。
 話を戻すと、今回は「復讐物」の典型とも言える作品です。明鏡シスイ先生が書いた、『信じていた仲間達にダンジョン奥地で殺されかけたがギフト「無限ガチャ」でレベル9999の仲間達を手に入れて元パーティーメンバーと世界に復讐&「ざまぁ!」します!』…って、題名めっちゃ長い!
 この題名だけで、ざっくり80文字くらい、文字数が増えてしまいました。ラノベは長い題名が多いのですが、この作品は間違いなくトップ10に入ると思います(確かめてはいませんが…)。
 まぁ、題名を読んでもらう事で、大雑把な内容は分かるでしょうから、その点では便利な題名だと言えるでしょう。この題名を読めば、さっき私が紹介した「復讐物」の内容にぴったり合っていると分かります。
 ところで、「復讐物」の面白さは大きく2つある…と私は思います。
 1つ目は、復讐を達成するまでの過程です。自分と同じドン底状態に追い込むため、念入りに準備を進める…まず、ここが面白い。因みに、『悪役令嬢の中の人』は、ここが丁寧に描かれています。
 2つ目は、いわゆる「ざまぁ」です。準備した事が次々と成功し、どんどん相手がドン底に落ちていく…悪人(嫌な奴)が敗北する爽快感と、準備した事が成功する爽快感の、ダブル爽快感で楽しめます。
 そして、本作(題名が長いから「本作」で省略させてください)は、少なくとも2巻までは2つ目の面白さが強いです。主人公のライトは復讐する相手を徹底的に追い詰め、精神的にも社会的にも完全にドン底状態へと追い込みます。もうホント、容赦がありません。
 3巻では少し趣が変わりそうなのですが、取り敢えず2巻までは「ざまぁ」の面白さが推しポイントの作品と言えるでしょう。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。

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また進行諸島先生で『異世界転生で賢者になって冒険者生活』

2024-06-13 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はライトノベル愛語り。今回は、また進行諸島先生の作品紹介です。
 今回の作品は『異世界転生で賢者になって冒険者生活』。もちろん、今回もマンガでしか読んでいません。
 主人公ミナトは、魔法を使って自動車だのパソコンだのを動かせる文明世界(つまり地球ではない「異世界」…笑)の人間でしたが、事故で死んでしまい別な世界に転生します。そこも魔法の使える世界ですが、文明的には中世ヨーロッパっぽい感じで、しかも魔法が洗練されておらず、魔法使いは職業的に軽視されています。そんな異世界に転生したミナトが、前世の洗練された魔法知識を使って大活躍する…まぁ、そんな話です。
 最初にツッコミを入れたい…って言うか、ちょっと違和感だったのが、「そもそも異世界にいたでしょう、ミナトは。それで異世界転生って、何か違わないですか」って事です。もっとも、何でもアリがライトノベルなので、異世界から異世界に転生して、それを「異世界転生」って言うのもアリだとは思います。
 この作品の面白さは、チート能力を活かしたミナトの大活躍にありますが、そのチート能力の根本は「洗練された魔法の知識」にあります。知識がチートを支えている訳ですが、前に紹介した『異世界賢者の転生無双』とは趣が異なります。『異世界賢者~』は知識を活用してレベルを上げるなど、どちらかと言えば間接的にチートを支えている感じです。それに対し『異世界転生~』は、知識を活用して状況に合った魔法を作り出すなど、直接的にチートを支えている感じです。
 もう一つ、面白さを感じるのが転生した異世界の謎です。転生した異世界は、どうも、前の世界と関連がありそうなのです。もしかするとミナトは、前の世界より前の時代に転生してしまったのでは…と感じさせるシーンもあります。マンガの中では、その辺りはまだ全然語られていませんが、今後、少しずつ謎が解明されてきそうで、その辺りも楽しみな点です。
 もしかすると長期連載になりそうなので、今の内に読み始めておくと良いかもしれませんよ。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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感涙してスッキリ『独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帳』

2024-06-06 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はライトノベル愛語り…なのですが、今回はライトノベルではなく時代小説です。
 今回紹介するのは、noteで相互フォローさせていただいている笹目いく子先生の処女作『独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帳』です。気合いを入れて紹介したいと思いますので、ネタバレ…と言いますか、内容を色々と書いてしまう事になります。「ネタバレは困る」と言う方は、この後は読まないようにしてください。
 まず、最初の一文の「つかみ」が半端ないのです、この作品。

 灰が音もなく、雪のように降りしきっていた。

 これを読んだ瞬間、「え? 何が起こったの?」と思いました。それは、そうでしょう。灰が「降ってきた」ではなく、「降りしきっていた」なんです。尋常ではない何かが起きた…この一文だけで、それが分かります。
 そして次の瞬間、頭の中には灰色の世界の中に灰色の雪が降っている映像が浮かんできました。
 尋常ではない出来事が起きたはずなのに、とても美しさを感じてしまう…この後に展開される物語が、最後は美しく終わるのだろうと私は感じました。この先を読む事への期待感が高まります。
 たった一文で、この「つかみ」力。プロの作家とは凄いものだなぁ…と、改めて感じ入りました。
 全編を読み終えて感じたのは、「ハリウッド超大作の構成と似ているな」と言う事です
 ハリウッド超大作では、小さな出来事が積み重なって話が進み、中盤で小さめの山場があります。そこで(あるいは、その後で)主人公が挫折し、でもそれを乗り越えて、最後は大きな山場を迎える…と言うのが、ある程度共通した物語の構成となっています。
 『独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帳』の物語も、構成的には非常に似ています。
 まず、江戸の大火の後、主人公の山辺久弥と青馬(ソウマ)少年が出会います。青馬の世話をする中で、小さな事件や出来事が次々と発生し、それを乗り越えながら、少しずつ二人の関係が深まっていきます。
 やがて青馬を連れ去ろうとする者が現れ、中盤の小さな山場となります。何とか切り抜けたと思ったら、今度は久弥自身に関わる問題が発生し、久弥は青馬と別れなければならない事に…。主人公の挫折です。
 ぐっとこらえ、久弥は問題解決に尽力します。そして、最後の山場へと繋がっていく訳です。
 ハリウッド超大作は、観客を楽しませるために、ある程度共通した物語の構成となっています。小さな事件→中盤の小山場→主人公の挫折→挫折からの成長→最後の大山場→大団円…と言う構成は、観客が作品に入り込み、共感し、楽しめるように考えられ、工夫されたものなのです。
 それと同じ様な構成になっている『独り剣客 山辺久弥 おやこ見習い帳』。面白くないはずがないでしょう。
 もう一つ書いておきたいのが、久弥と青馬の心の動きです。
 出会った時は、当たり前ですが、心の距離が離れている二人。それが、日々の小さな出来事を通し、少しずつ少しずつ距離が近くなっていきます。
 その際に重要な役割を果たすのが、久弥が得意とする三味線です。青馬自身にも三味線の才能があり、三味線の演奏や稽古を通して二人の関係性が深まっていきます。
 この三味線の場面がイイ。生の三味線の演奏…私は、津軽三味線くらいしか聴いた事がありません。だから音楽としてのイメージは、雪ほどには強くイメージ出来ませんが、それでも読んでいると、何だか音が聴こえてくる様な感じがします。
 やがて、血は繋がっていないけれど、二人は本当の親子になっていきます。「見習い親子」から「本当の親子」になる訳で、題名になっている「おやこ見習い帳」は、おそらく、この事を強く意識して名付けられたのでしょう。
 因みに、最後はハッピーエンドですから、安心して読んでください。
 感動の涙を思い切り流し、スッキリ心のサウナ状態になれる、そんな素敵な作品でした。


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真面目にコツコツが好感度高い『異世界賢者の転生無双』

2024-05-30 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛。今回も、進行諸島先生の作品です。
 今回紹介するのは、『異世界賢者の転生無双』。もちろん、これもコミックしか読んでいません。
 主人公は現代日本で余命3年と宣告され、ゲーム「ブロークン・バランス・オンライン(通称BBO)」に残りの人生を費やし、ボス戦に勝利したところで死亡します。お約束通り、エルドと言う名の青年として異世界転生する訳ですが、その世界は極めてBBOと似ている…けど、BBOほど人々のスキルも知識も高くありません。かくて、BBOの知識をフル活用し、スキルなどを高めたエルドが無双していく…と言うのが大雑把な物語です。
 この作品、前回紹介した『転生賢者の異世界ライフ』と異なり、主人公は最初から超絶チートをもっている訳ではありません。あくまでも、BBOの知識を活用し、敵の弱点を突いたり、効率的にスキルなどを高めたりして、敵に勝っていきます。だから、『転生賢者の異世界ライフ』と比べると、かなり真面目にコツコツ頑張ってる雰囲気です。
 笑いの要素も無い訳ではありませんが、『転生賢者の異世界ライフ』よりは少なめ(軽め?)です。どちらかと言えば、読んだ印象としては、真面目な作品と感じる方が多いかもしれません。
 また、超絶チートな訳ではありませんから、当然、主人公がピンチになる場面も出てきます。絶体絶命的なピンチの時もあり、その分、『転生賢者の異世界ライフ』よりドキドキ感は強いと感じます。
 雰囲気の違う作品なので、私個人としては、どちらも相当に好きな作品です。進行諸島先生…凄い方です。

 ところで、令和6年5月27日のブログ「諺カードで『ビンゴ』」に、「いいね」や「応援」を沢山いただきました。とても励みになります。どうも、ありがとうございました。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。

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超絶チートと笑いのバランスが絶妙な『転生賢者の異世界ライフ』

2024-05-23 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛を語ります。今回は、少し間が空いてしまいましたが、進行諸島先生の作品を紹介します。
 今回紹介するのは、コミカライズされたマンガが大ヒットしている『転生賢者の異世界ライフ』です。もちろん、以前の記事に書いた通り、私はマンガしか読んでいないので、そのつもりでお読みください。
 ブラック企業の社畜だったユージが異世界に来て、超絶チートな魔法を覚え、その能力をフル活用して大活躍する…と言うのが、かなりざっくりした内容です。前の文では「大活躍」と3文字でまとめましたが、悪の組織と戦ったり、邪悪なドラゴンと戦ったり、依頼を受けて秘密を探ったり…本当に多種多様な活躍を見せてくれます。
 この活躍の雰囲気は、少し古いですが、スティーブン・セガールさんの主演映画(特に「沈黙の戦艦」と「暴走特急」)をイメージさせられます。とにかく、ユージは常識外れに強すぎるので、ほとんどピンチらしいピンチになりません。だから、超絶チートで敵を圧倒する面白さを味わう作品…って感じでしょうか。
 その一方で、笑いの要素も強いです。ユージは自己評価が低い上、社畜だった記憶が基準となっています。そのため、色々とやらかしたり、会話のポイントがずれていたりして、そこが実に面白いです。
 ちょっとだけ気になるのが、『転生賢者の異世界ライフ』と言う題名。ユージは気が付いたら異世界にいたので、何となく死んで転生した訳では無いように感じます。これって転移じゃないのかな…と思いますが、『転移賢者の異世界ライフ』だと今イチ格好良くありません。だから、『転生賢者の異世界ライフ』で良いのかな…と、一応、納得しています。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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どきどき&しっとりの『半妖のいもうと2』

2024-05-16 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語りです…が、今回もライトノベルとは少し異なります。前回(R6.5.9)と同じ、蒼真まこ先生の作品紹介です。
 今回紹介するのは、前回紹介した『半妖のいもうと~あやかしの妹が家族になります~』の続編『半妖のいもうと2~あやかしの妹におともだちができました~』です。
 1巻目で、「家族として頑張ろう」と決めた主人公の杏菜…ですが、妹くり子が保育園に行く様になった事で、思わぬトラブルが発生します。更に、そのトラブルに対応する中で、「母親代わりにならなくちゃ」と杏菜が頑張った事で、家族に思わぬ波風が立ってしまいます。
 今回の物語も1巻目と同じく、人間の世界→あやかしの世界と進んで行きますが、雰囲気は逆です。人間の世界ではトラブル発生でドキドキ展開となり、あやかしの世界ではしっとり関係性を構築していく事になります。
 おそらく、これは意図的な構成でしょう。
 1巻目では人間の世界が落ち着いていて、あやかしの世界が混沌としている感じでした。それが2巻目では逆になる事で、人間の世界が安全で、あやかしの世界は危険…と、単純に受け止められる事を避ける事が出来ます。同時に、人間の世界だって混沌としている部分はあり、あやかしの世界と何ら変わりはない…と言うメッセージを伝えたかったのかもしれません。
 そして、今回は1巻目以上に、主人公杏菜の成長が感じられます。もちろん、1巻目と同じく大きな成長ではありません。「小さな一歩」と言う感じです…が、人間の成長なんてそんなもんです。地に足の付いた感じが、とてもイイと思います。
 それと、今回は1巻目以上に表紙イラストが素晴らしいです。くり子がメインなのですが、幼児の前向きさ、ひたむきさ、健気さが感じられ…とっても癒やされます。この表紙だけでも、買う価値があると思いますよ。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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しっとり&ドキドキの『半妖のいもうと』

2024-05-09 04:30:00 | ライトノベル
 木曜はラノベ愛語りです…が、今回はライトノベルと言って良いのか分かりません。もしかするとライト文芸にふくまれるのかもしれませんが、その辺りのジャンルの詳細は分かりませんし、作品が面白かったので紹介します。
 今回紹介する作品は、蒼真まこ先生の『半妖のいもうと~あやかしの妹が家族になります~』です。
 主人公は高校生の杏菜。母親が死に父親と二人暮らしの家に、ある日、妹がやってきます。しかも、その妹には角と牙があり、父親からは半分鬼の血をひいた「半妖」だと説明されます。
 物語は、色々な出来事を通し、杏菜と妹が心を通じ合わせ、三人が家族になるまでを描いています。「家族再生の物語」と言っても良いでしょう。
 私が「いいね」と思った1つ目は、しっとりと進む前半です。
 妻を亡くして落ち込む父親に理解を示し、新しい母親や妹に理解を示したいと思いつつ、なかなか納得する事の出来ない杏菜。とても理解できます。人間、そんなにパッと気持ちを切り替えられないものです。
 それが、妹との日常生活を送る中で、少しずつ心が通じてくる…この過程が丁寧に描かれていてイイのです。本当に些細な事の積み重ねが、ちょっとずつ、ちょっとずつ、気持ちに変化をもたらしてくる…これがイイ!
 もう1つの「いいね」ポイントが、後半のドキドキ展開です。
 前半が日常生活を描いているのに対し、後半は「あやかし」に関わる展開となります。前半と異なりサスペンスいっぱいですし、アクションシーン的な展開もあります。
 随分と極端な差がある様に思われるかもしれませんが、前半が丁寧に描かれているので、この落差が気になりません。スティーブン・キングのファンなら分かると思うのですが、前半の日常描写が丁寧であるからこそ、後半の非現実展開が楽しめる感じです(キングの作品で言えば、『クージョ』とか『クリスティーン』でしょう)。
 最後はハッピーエンドですが、少し切なさもあります。それも「いいね」と思いました。
 因みに、この作品は続きがあります。それも読んだので、それについては次回(R6.5.16)に書きたいと思います。
 …と言う事で、この最終段落まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。今日または明日、皆様が良い一日を過ごせるよう願ってます。
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